看護師キャリア支援センターでは、日本看護協会による新たな認定看護師教育制度の実施に伴い、現在開講している「救急看護認定看護師教育課程」に加え、「看護師特定行為研修」「集中ケア認定看護師教育課程」の2コースを2020年度から開講します。8月から10月にかけて3回にわたって開催した説明会には、受講を希望する多くの看護師が全国から参加。本センターの剱持功課長が制度改正の背景や概要を説明し、専任教員の中嶋康広看護師と黒田啓子看護師、医学部付属病院集中治療室の池田優太看護師が、本課程での学びや認定看護師、特定行為修了看護師の仕事や責任について紹介しました。
日本看護協会では、医療や看護を取り巻く社会や人々のニーズに沿った看護を提供するため、認定看護師教育に特定行為研修を組み込み、認定看護分野を再編。2020年度から新たな教育制度を開始し、現行制度による教育は段階的に縮小して26年度に終了する計画です。本センターでは、現行教育を受けて活躍している認定看護師の貢献を踏まえ、特定行為研修を認定看護師教育課程に組み込まずに別建てし、それぞれを集中して学んでもらう方針です。
「特定行為研修」では、これまで医師が行っていた21区分38行為について、医師が作成した手順書に基づき実施できる看護師を育成します。本センターでは、認定看護師または専門看護師資格を取得している看護師に受講資格を限定し、「気管カニューレの交換」「中心静脈カテーテルの抜去」など12区分23行為を対象として開講します。また、認定看護分野の再編により「救急看護認定看護師」と「集中ケア認定看護師」が「クリティカルケア認定看護師」に統合されるため、認定看護師を目指す看護師のニーズを見据えながら、新制度への移行も踏まえて「集中ケア認定看護師教育課程」を新設しました。
本センターの横田弘子所長は、「特定行為の実践には、高度な臨床推論力や病態判断力が要求されます。この制度を各病院や地域でしっかりと根付かせるために、まずは多くの経験を積み、医師らの信頼が得られている認定看護師と専門看護師に受講してもらい、リーダーとして活躍できる看護師を育成したいと考えています。看護師が患者さんの容態の変化を早期に読み取り、その後の状態を適確に予測してどう対応すべきかを速やかに判断し、実践する能力を身に付けることは、患者さんのQOLの向上に大きな影響を与えます。さらに、特定行為の実践は医師と看護師の連携を強化し、よりよい医療につながると期待しています。高水準の専門性を持つ看護師の養成機関として教育内容をさらに充実させ、社会に貢献したい」と話しています。