歴史学科の学生らがアメリカの研究者によるパピルス文書の解読作業をサポートしました

歴史学科の学生らがアメリカの研究者によるパピルス文書の解読作業をサポートしました

文学部歴史学科の学生らが11月1日から15日まで湘南キャンパスで、アメリカから来日した古代エジプト文字の研究者4名によるパピルス文書の解読作業をサポートしました。本学では昨年度から3年計画で、本学が所蔵する古代エジプトのパピルス文書(鈴木コレクション所蔵※)を修復?保存?解読?出版するプロジェクトを進めています。文書の修復は、昨年「パピルス文書修復ワークショップ」を受講し、パピルス修復師を目指して研鑽を積んでいる歴史学科考古学専攻の3年次生3名を中心に実施してきましたが、修復が順調に進んでいることから解読作業に着手。アメリカの研究者たちは2週間にわたってパピルス文書の接合と解読を行い、学生たちは保存作業などを手伝いました。

来学したのは、ジョンズ?ホプキンス大学のリチャード?ジャスノウ教授と同大学院生のキャサリン?デイビスさん、イェール大学大学院生のアンドリュー?ホーガンさんとフランソワ?ジェラルディンさんの4名です。ジャスノウ教授らは、400をこえる小さなパピルス文書の破片を1枚ずつ詳細にチェック。文字のつながりを探してジグソーパズルのように破片を合体させ、ディスカッションしながら文字の解読を行いました。学生たちは、破片を接合する工程を補助。また出版用に写真撮影をした後、ガラス板に保存する作業に取り組みました。

プロジェクト発足当初から協力し、鈴木コレクションの価値を高く評価しているジャスノウ教授は、「今回の解読作業で、鈴木コレクションには紀元前5世紀ごろとプトレマイオス朝時代の文書が多く含まれていることがわかってきました。行政や経済に関係する内容のほか、神話も読み解くことができ、非常に興味深い資料です。出版することによって世界中で保管されているパピルス文書との関連が判明するなど、新しい発見につながる可能性もあります。bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户の教員や学生の協力を得て、信頼できる研究者とともにこのような重要なプロジェクトに参加できることを本当にうれしく思っています」と語りました。解読作業をサポートした学生は、「自分たちが修復したパピルス文書が解読されていくことに感動しました。真剣に議論しながらよいチームワークで作業する研究者の姿を間近に見ることができ、勉強になりました」とコメント。プロジェクトの運営を担当する山花京子准教授(アジア文明学科)は、「来日した研究者たちの熱心な作業によって順調に解読が進み、学生たちも使命感を持って取り組んでくれました。プロジェクトの最終年度となる来年には、ぜひコレクションを出版したい」と意気込みを語っています。

また11月10日から13日までの4日間、4人の研究者による古代エジプト文字の講座も開講。本学学生や教職員のほか日本各地から参加者が集まり、ヒエラティック(神官文字)とデモティック(民衆文字)について学びを深めました。

※鈴木コレクション:2010年に本学が故鈴木八司名誉教授のご遺族より寄贈を受けた古代エジプトおよび中近東の考古学資料約5000点や写真資料約1万5000点などで、質量ともに日本有数のもの。大学の資産としてデータベースを作るため、13年春から文学部歴史学科考古学専攻の学生ボランティアらが中心となって整理作業を進めています。

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