政治経済学部は渋谷へ移転
“TOKYO”すべてをキャンパスに
ゲートウェイ機能で国際化を推進
bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户が2022年度の実施を構想している全学的な改組改編「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」では、その大きな目玉として社会科学系学部が東京都心の校舎に移転する。渋谷(現?代々木)校舎に政治経済学部、高輪校舎には既存の情報通信学部に加え観光学部、経営学部、国際学部が設置される計画だ。東京キャンパスの学部編成や教育研究方針の取りまとめを担った吉川直人副学長に聞いた。
今回の改組改編では、現在は湘南校舎に置かれている政治経済学部から政治学科と経済学科の2学科が渋谷に配置され1学部2学科体制となる。また、情報通信学部1学部の校舎として使用されてきた高輪には、湘南の政治経済学部から経営学科が経営学部、教養学部国際学科が国際学部として置かれるほか、代々木の観光学部も移転し4学部4学科体制となる。
吉川副学長は、「この改組改編を通じて社会科学系学部と情報系学部を取りまとめます。渋谷と高輪の2校舎を、グローバル人材教育を推進するためのゲートウェイ機能を持った『東京キャンパス』として再編します」と語る。
社会科学系学部の都心移転は、グローバル化に伴う文化的衝突や経済格差の拡大、AIの進化に代表される急速な技術の発展といった社会情勢を踏まえたもの。「これからの社会科学系を専攻するすべての学生には、情報リテラシーが必要。その考えからすでに高輪に置かれている情報通信学部と一体となった学部編成の計画につながりました。一方、情報通信学部でIT技術を扱う学生たちには社会の変化を明確に捉え、そのニーズに応えられる人材になってもらいたい。そのため、社会科学系学部と情報通信学部のカリキュラムの連携も構想しています」と吉川副学長は語る。
3年から校舎を移動
世界都市の環境に期待
東京キャンパスの学部で学ぶ学生は1、2年次を自然豊かな環境で学習に集中できる湘南校舎に在籍。教養科目と専門科目の基礎を履修することになる。3年次から校舎を移動し、さらに高度かつ深い教養を身につけるとともに、専門分野における社会の課題に挑戦できる知識と技術を学んでいく。
「東京は世界とつながる『グローバル社会のゲートウェイ』です。この東京すべてを”Tokyo Campus”として活用してもらいたい」と吉川副学長。東京には多くのグローバル企業があり、他大学や各分野の専門研究機関もそろっていることから、それらを訪問して学びを深めることも可能。さらに、さまざまな講演会や国際的なシンポジウムへの参加、他大学生との積極的な交流も期待される。
「まさに”Class without wall”といえる環境となります。東京という世界都市をキャンパスとして使い、これからのグローバル社会に対応し、勝ち残れる人材を育てていきます」
●Pick up●
都心のメリット生かす
政治学科 奥 健太郎教授
都心の校舎では”政治の中心”に近づくので、政治家や官僚、ジャーナリストなど外部講師を招いた授業が展開しやすくなります。また、他大学の先生をゲストで呼びやすくなるでしょう。
研究面でも専門家と距離が近くなり、学外との連携も深まると期待しています。人や情報が集まる東京にキャンパスがあるメリットを生かしていきます。
政治経済学部
半世紀をこえる歴史と伝統踏まえ
新しい学びの形を構築
2022年度の実施が構想されている改組改編で、政治経済学部は経営学科が経営学部となり高輪校舎へ、政治学科と経済学科は新しい政治経済学部を構成し渋谷校舎に移転。両学科とも入学定員が現行の160人から200人となる。1966年に開設され、半世紀以上にわたって歴史と伝統を継いできた学部が、新しい環境でどのような教育?研究を展開していくのか―八木英一郎学部長や2学科の学科長らが語った。
「政治経済学部はそもそも現行の学部の開設時は政治学科と経済学科の2学科体制でした。今回の改組改編は原点回帰ともいえるでしょう。また、東海大が建学の地?清水から東京に進出した始まりの地である渋谷に置かれることにも、さまざまな面で期待は高まっています」と八木学部長は語る。
「政治」「行政」「国際」のゆるやかなコース分けのもと、課題を解決する力を養成している政治学科では、政治学を通し、国内外で活躍できる人材を育んでいる。岡本三彦学科長は、「学生の興味や将来の方向性はさまざまですが、比較的公務員志望者が多いことが特徴です。本学科ではこれまで、湘南校舎周辺の自治体と連携したインターンシップに積極的に取り組んできましたが、渋谷に移転することから、東京23区内の自治体とも連携を図りたい」と話す。
カリキュラム面では大きな変更は予定されていないが、東京キャンパスに移る他の社会科学系学部の授業科目との連携が図られる計画だ。
岡本学科長は、「政治学は社会の現象に対して”なぜ?”と疑問を持つことが大切。その疑問を解くためのカギは論理的な思考にあり、社会に出てから役に立つものです。学生たちには政治学は社会の諸問題を考える際に非常に有益であると知ってもらいたい」と話している。
他大学などの存在を刺激に
高輪との連携授業も検討
経済の専門知識を習得しながら、社会問題を「経済学」の視点から解明することで、さまざまな経済現象を数量や歴史、制度などの側面から理解し、経済の動きを読み取る力を身につける経済学科。「経済学では大きな視点から物事を捉える目が必要になります。学生にとっては現実感がなく、遠い話になってしまいがちですが、現実の経済に関心を持てれば非常に面白い学問」と竹内文英学科長は語る。
改組改編後も、日本国内だけでなく海外で起きている経済問題を前面に押し出し、現実の経済の動きを理解できる授業が展開される計画となっている。「他大学や企業など外からの刺激を受けることも多くなるでしょう。他大学との連携授業や合同ゼミなど横の連携もとっていきたい」と期待を寄せる。
また、日々新しいデータが更新され激動する経済分野では情報分析能力も求められることから、現行の学科でも開講されているデータ解析や計量分析の授業を発展。より技術を身につけやすい授業の新設や拡充も計画されている。「経済は理屈がわかっていても、データを読み取る力がないと評価ができない。理論と技術の両方を身につけ、世の中への鋭い問題意識や目的意識を持ち、自ら学ぶことのできる学生を育てていきたい」と竹内学科長は力を込めている。
八木学部長は、「社会科学系の学問分野は『社会』をどの面から見るか、その切り口は多岐にわたります。政治経済学部生が高輪校舎の授業を受講するなど、渋谷と高輪の距離を生かした横断型の学びの形も考えたい。本学部が開設以来培ってきた歴史と伝統を踏まえ、現状からさらに発展させた、新しい教育に挑戦していきます」と話している。