bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户海洋科学博物館では、5月6日に「メガマウスザメ」(体長4.46m、体重677kg、メス)の公開解剖を実施しました。この個体は4月14日に静岡市清水区の由比漁港沖で定置網にかかって水揚げされ、冷凍保存していたものです。メガマウスザメは世界の熱帯域から温帯域にかけて分布し、昼間は水深約100m~200mの深海で行動。夜間は約10m~20mまで浮上します。主なエサは特徴的な巨大な口を使って捕食する動物プランクトンで、大きなものは全長約6mに達します。今回が世界で58例目(日本では18個体目、静岡県内では7個体目)の捕獲となる世界でも非常に個体数の少ない希少種(2014年6月30日現在、世界63例目、日本18例目)をひと目見ようと、親子連れや学生、教職員など約1500名が集まりました。
海洋学部の田中彰教授の指揮と解説のもと、堀江琢講師や学生スタッフらも参加して午前10時から約4時間かけて行った公開解剖では、100カ所以上にもおよぶ部位を計測した後、腹部を包丁などで切り開いて内臓を取り出してその重さを調べたほか、胃の中にオキアミが大量に入っていたことや、妊娠の経験がない未成熟な若いサメだったことなどを突き止めました。来場者からは、「ニュースを見て珍しいサメを見ようとやって来ました。近くで見たメガマウスザメは想像していたよりも大きくて驚きました」「長時間並んでようやく近くで見られましたが、大きさや匂いなどを実感できて感動しました」などの感想が聞かれました。
今回解剖したメスの個体は研究のために保存するほか、舌の構造を調べてエサの捕食方法を探るほか、脊椎骨から年齢を推測するなど、当日に採取したデータや標本を用いた調査を続けていく方針です。田中教授は、「大学における社会教育活動の一環として今回の公開解剖を行いました。子どもたちに珍しいメガマウスザメを実際に見てもらうことで、どう猛なイメージのあるサメの仲間のなかにもおとなしい種類のサメがいることなど、サメの本当の姿を知ってもらい、興味を持ってもらえたらうれしい」と語っています。また、解剖に参加した学生たちは「研究室ではサメの研究をしていますが、このような巨大なサメの解剖は初めての経験だったので無事に終わってホッとしました」などと話していました。
なお、同館では駿河湾で見つかったメガマウスザメ(体長4.2m、体重460kg、オス)の公開解剖を2003年にも海洋学部で実施しており、現在、このオスの個体ははく製標本として館内で展示公開しています。