5月31日に湘南キャンパスで、2019年度第2回研究推進セミナー「研究成果の事業化?起業セミナー」を開催しました。本セミナーは、教職員や学生の日々の業務や研究活動に役立つ情報を提供する場として、研究推進部が2015年度から開催しているものです。今回は(株)ケイエスピーから講師を招き、同社の事業概要や実績、大学発ベンチャーの起業方法などについて講演いただきました。セミナーの様子は高輪、清水、伊勢原、熊本、札幌の各キャンパスにも配信し、合計で約50名が参加しました。
セミナーでははじめに、長幸平研究推進部長(情報理工学部教授)が、「大学の研究者は研究成果を社会に還元することが求められています。本日のセミナーの参加者が講演内容をもとに議論を深め、さまざまな社会貢献につなげてくれることを期待しています」とあいさつしました。次に産官学連携センターの岩森暁所長(工学部教授)が、研究推進部による大学発ベンチャーのサポート実績や手順について説明した後、(株)ケイエスピーの長谷川章一氏と白石敬仁氏が登壇。約120社の研究開発型企業が集結する国内最大級の研究拠点「かながわサイエンスパーク」の施設概要や同社が開催する起業セミナー「ビジネスイノベーションスクール」の実績などを紹介し、大学発ベンチャーの必要性や起業方法、その際の課題や検討事項などについてこれまでの実例を交えて説明しました。長谷川氏は「研究成果の社会実装は、大学研究者の技術を活用し、世の中の問題を解決することにつながります。事業化の検討過程では漠然とした不特定多数の“顧客”を対象にするのではなく、限定的でありながら深刻な「悩み」をもった特定少数顧客を対象にしていく必要性があるでしょう」と語りました。最後に理学部の喜多理王教授がマイクロ?ナノ研究開発センターの研究者とともに設立した大学発ベンチャー「(株)チューン」について、設立の目的や今後の展開を説明。質疑応答の時間も設け、活発な意見交換を行いました。