大学院工学研究科1年次生の津村翔さん(指導教員=野口直人講師?建築都市学部)がこのほど、「赤れんが卒業設計展2023」で審査員賞にあたる「末光弘和賞」を受賞しました。建築学生による卒業設計作品を集め、展示?公開審査を行う全国公募制のイベントには800作品を超える応募がありました。1次審査で100作品に絞られ、模型の展示とポスターセッションによる2次審査で上位10作品が決定。3月27日に神奈川県?横浜赤レンガ倉庫で公開審査が行われました。
津村さんの作品は工学部建築学科4年次の卒業設計として取り組んだ「まちの生き物たちの円環 失われた生き方を保管する都市型ビオトープの提案」です。東京都?渋谷のオフィス街に広さ800㎡ほどのビオトープを建設し、水の循環や食物連鎖といった自然のシステムが互いに作用する「円環」を生み出す考えです。建築は6階建てで、階ごとに保水性の高い土や動植物の育成に向いている土など種類を変え、雨水をろ過して水生動植物の住処や樹木の育成などに活用。日光の入り方や風の通り方なども異なるさまざまな空間をつくり出し、人々が自然環境とともに生きるビオトープを形にしました。津村さんは、「野口先生から“頭を使うのではなく、手を動かす。ワクワクするものを創造しよう”と指導されてきました。水が流れ、土を潤し、樹木が育ち、木陰ができ、生物の住処ができるといったように、小さな世界が次々に出来上がる過程を楽しみながら考えました。審査員の一人である末光弘和さんは以前から尊敬している建築家なので、選んでいただけてとても光栄です」と語りました。