農学部応用植物科学科と応用動物科学科では10月に、2023年4月に開設が予定されている臨空校舎(熊本県益城町)の圃場を使った初の実習を実施しています。同校舎は阿蘇くまもと空港に近い本学宇宙情報センターの敷地を転用して新設されるもの。座学と実践を同じ場所で行うことを教育のコンセプトに掲げる農学部の、特徴ある教育の実現を図るための新しいキャンパスとして計画が進んでいます。さまざまな作物を育てる圃場は、校舎の建設開始に先駆けて農学教育実習センターの技術職員によって19年夏ごろから整備してきました。
今年度はbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户感染症の拡大を受けて春学期の授業がすべて遠隔となったことから、本学部でも圃場や牧場などでの実習授業は行えませんでしたが、秋学期に向けて学生たちに実習の場として活用してもらおうと技術職員らがサツマイモ(ムラサキマサリ)を作付していました。今回の実習では、応用植物科学科2年次生対象の「農場実習C」と応用動物科学科1年次生対象の「牧場実習」を履修する学生たちが、10月12日から23日にわって計4回の収穫を実施。毎回、農学部の教員と技術職員の指導のもと、学生たちはツルの伐採からトラクターを使った掘り起こし、イモの選別といった一連の作業に汗を流しました。
髙橋由磨さん(応用植物科学科2年次生)は、「農業高校出身ですが、ムラサキマサリは初めて収穫しました。紫色が濃くて、とても印象的な作物。遠隔授業では自然を体験できないので、やっと実習ができてうれしい」と語り、岩瀬颯太さん(同)は、「友人らと協力して作業するのはとても楽しい。将来は農家の仕事を支える仕事に就きたいので、実習を通してたくさんのことを学びたい」と充実の表情。農学教育実習センターの阿部淳センター長(農学部教授)は、「2年次生以上の学生は臨空校舎で学ぶことなく卒業することになります。卒業後もこの場所を“母校”と思ってもらえるように、思い出をつくる機会にしたいと考え今学期の実習のフィールドとしました。今後もインフラ整備を進め、充実した教育研究活動を展開していきたい」と話しています。
なお、今回収穫したムラサキマサリは、本学部が九州沖縄農業研究センター、酒造メーカーの房の露株式会社と産官学連携で開発した紫芋焼酎「阿蘇乃魂」の原料であり、10月末に房の露に出荷します。