建築都市学部では12月10日に湘南校舎で、課題解決型研究コンペティション「建築都市学部版 ものづくり学生サミット2022 in 湘南」の最終報告会を実施しました。このコンペは、企業から出題される実務や将来に向けた課題などに対して、学生の自由な発想や柔軟な思考、日々の学習成果を生かして、実践的で実効性のある解決策を提案するものです。2014年度から工学部の活動として始まり、過去2年間は新型コロナ禍の影響で実施を見送っていましたが、今年度、建築都市学部が新設されたことを受け再開しました。
学生たちは7月にオンラインで行った説明会で参加企業の担当者から、「アルミ建材を使用した自分空間を作ろう!」(サンアルミ建材)、脱炭素、少子高齢化、アフターコロナなど社会的課題を多面的にとらえた「自分の住みたい家」(東栄住宅)、湘南校舎に近い秦野市内の「ガレージ付き空き家リノベーション」(秦野市議?吉村慶一氏、ユーミーらいふ、秦野市役所)の3テーマについて説明を受けました。その後はアドバイザー教員のサポートのもとグループごとに企画案を練り、月に1回程度、企業の担当者とも意見交換しながらアイデアをまとめてきました。
最終報告会では、建築学科の渡部憲学科長が参加企業への感謝を述べるとともに、学生たちに向けて「半年間、授業もある中で一生懸命やってきた成果を、胸を張って発表してください」とあいさつ。学生たちはグループごとに資料を提示しながら4分間で企画内容を発表し、教室内にポスターを掲示して企業担当者や教員からの質問にも答えました。今後、各企業で審査結果をまとめ、来年1月28日(土)の表彰式で各賞を発表します。講評では企業の担当者が、「最初は粗削りで心配していましたが、徐々に磨き上げられ、まとまった企画になりました。社会課題やニーズに対応するアイデアを発表してもらい、参考になりました」「地元に根差した企業なので、地域の問題点を解消する内容が多く、大変うれしい発表でした。企画内容を見直し、しっかりと審査したい」と話していました。最後に土木工学科の梶田佳孝学科長が、「グループごとに時間を見つけて、しっかりとしたものができ上がったのではないでしょうか。来月の表彰式を楽しみにしていてください」とまとめました。
参加した学生たちは、「先生方や企業の担当者の方にアドバイスをもらいながら、徐々にブラッシュアップして形にできました。今回が初めての挑戦でしたが、実際の企業の課題に取り組むのは責任感も大きく、とても新鮮な経験でした」「授業課題は自分の中にあるものをいかに形にしていくかが大事ですが、今回は相手のニーズに対してどう応えるか、希望を落とし込んでいくかが難しかったです」「床や壁など住宅の材料についてもっと勉強すれば、よりよい提案ができると感じました。実際の課題に挑戦する経験はとても楽しかった」と口々に話していました。