建築都市学部建築学科では9月2日から15日まで、フランスとスペインを訪れる「2024年度海外建築研修」を行いました。海外の建築や都市を視察して回り、現地の建物関係者や引率教員からのレクチャーを受けることで、図面や写真では分からない建築空間を直に体感することを目的とした科目です。本学科の学生と大学院工学研究科生建築土木工学専攻の大学院生合わせて43名が参加しました。
最初にフランス入りした一行は、「鳥」と称されるシンボリックな外観が印象的なリヨン?サン=テグジュペリTGV駅を視察。ルネサンス期の古い町並みが残り世界遺産にも登録されたリヨン歴史地区のフルヴィエールの丘、現存する紀元前43年建造のフルヴィエール?古代ローマ劇場、リヨン新市街地にあるコンフリュアンスミュージアムなども見て回りました。リヨン郊外ではル?コルビュジェ設計のラトゥーレット修道院に宿泊をし、そこでのスケッチと実測調査を行い、ミサにも参加し修道士の方々とも食事を共にしました。そのほか、本学部の岩﨑克也学部長による「ラトゥーレット修道院を解読する」と題した講義も行いました。フィルミニ?コルビュジェ建築群では、写真などで1度は目にしたことのある建築に学生たちは見入っていました。スペインに移動してからは、バルセロナパビリオンのほか、アントニ?ガウディ設計のカサ?ミラやグエル公園、サグラダ?ファミリアも見学。サンセバスチャンにあるナバラ大学博物館やイエス教会、ビルバオのグッゲンハイム、マドリードでは鉄骨アーチ状の空間に熱帯植物が生い茂るアトーチャ駅やソフィア王妃芸術センターなども訪れました。自由時間には個々のテーマや興味に合わせて各地を視察しました。
参加した学生たちは、「サグラダ?ファミリアの内部は、自然界の要素を取り入れた独創的なデザインが光り、柱は巨大な木の幹のように分岐し、天井に向かって伸びていく様子は森の中にいるかのような印象を受けました」「有名な建築家が手がけた作品を間近で見て、1日の中での時間による変化も味わいながら過ごす貴重な経験ができました」「日本では感じられない建築の壮大さやボリューム感、デザイン、構造の革新性、古くから続く街の歴史、それらのつながりや役割、食や暮らしの違いなど多くのことを人との交流を通して知ることができました」と学びを得ていました。