木材利用推進コンクールで建築学科卒業生の建築家?森屋さんが設計した「呼吸の間」が優秀賞を受賞しました

建築家で工学部建築学科(現?建築都市学部建築学科)卒業生の森屋隆洋さん(MORIYA AND PARTNERS代表)が設計を手掛けた、北海道知内町にある知内温泉のサウナ施設「呼吸の間」が、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户6年度木材利用推進コンクール(主催=木材利用推進中央協議会)で優秀賞に選出されました。木材利用のいっそうの促進を目的に1993年から開かれており、特色のある木造施設等を対象とする「優良施設部門」と、国産材利用に積極的に取組む企業を対象とする「国産材利用推進部門」の2部門で構成。優良な作品の関係者や木材利用に励む企業が表彰されています。今回は、優良施設部門で特賞14点、優秀賞43点、国産材利用推進部門で受賞企業として特賞6点が選出されました。

北海道最古の温泉として知られる知内温泉では、2022年からサウナを専門的に研究しているCULTURE SAUNA TEAM “AMAMI”の草彅洋平さんが総合監修を務め、温泉を活用したサウナの新たな形を考案。設計者としてプロジェクトに加わった森屋さんは、地場の道南杉をふんだんに使用した大自然を肌で感じられる造りを提案し、知内温泉の歴史とコンセプトに沿った自然を生かしたデザインを完成させました。内部の中央には1.3mの立ち湯を設置したほか、室内に源泉を流してサウナに必要な温度を確保するなど快適な設備や最新のテクノロジーを取り入れ、温泉地の雰囲気との調和を図りました。このサウナ施設は今年6月にオープンしています。

本学科在学中は木造建築の専門家として活躍し、2004年度から19年度まで本学科で教鞭を執った杉本洋文元教授(株式会社計画?環境建築代表取締役会長)の研究室に所属した森屋さんは、卒業後は建築家として住宅や別荘からオフィス、店舗まで幅広い用途の建築を手掛けてきました。日本空間デザイン賞2020住空間部門銅賞やウッドデザイン賞2020受賞などがあり、14年度から23年度まで建築学科で非常勤講師も務めています。「今回の設計では、『道南産の丸太で作る自然と対話するサウナ』というコンセプトの下、室内に温泉とサウナ、水風呂の導線を作りました。また、サウナは入っていると息苦しくなるものですが、呼吸の間はそうならないように湿度を調整し、空気も循環させています。空気を含んだように柔らかで心地よい、ゆらぎがある空間を目指しました。建築は人間の生存戦略の一つであり、その営みの中に存在する建築のあり方について先進事例になる作品にできたと考えています」と話しています。

なお、同コンクールでは、工学部建築学科(現?建築都市学部建築学科)の杉本洋文元教授が総合監修?設計を手掛けた「松田町立松田小学校」の校舎が文部科学大臣賞に選出されました。

「呼吸の間」写真=小杉圭司