建築都市学部建築学科の山川智教授が参画する研究グループがこのほど、「2024年度(bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户6年度)省エネ大賞」(主催:一般社団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)の省エネ事例部門で「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。省エネ大賞は、国内の企業?自治体?教育機関等に対して、優れた省エネ推進の事例や省エネ性の高い製品、ビジネスモデルを表彰するものです。1月29日に東京ビッグサイトで開かれた表彰式で賞状とトロフィーが贈られました。
今回受賞したのは、山川教授が東京都市サービス株式会社、清水建設株式会社、高砂熱工業株式会社、芝浦工業大学と共に取り組んできた「幕張DHC改修工事における高効率に向けたシステム再構築」です。東京サービスが1990年に幕張新都心ハイテク?ビジネス地区の地域冷暖房施設(DHC)に日本で初めて「下水処理水の温度差エネルギーを本格活用した地域熱供給システム」を導入し、オフィスビルやホテルなど14棟に熱を供給してきました。しかし20年以上が経過し、効率悪化や設備の老朽化などが顕在化していたことから、2010年に山川教授らが参画して基本計画に着手。熱供給システムの再構築や下水処理システムの運用改善?利用率拡大といったリニューアルを実施し、1次エネルギー効率はリニューアル前の1.19から国内トップレベルの1.68へ向上し、従来比30%減の省エネを達成しています。
表彰式には山川教授とともに卒業生の牛丸友希さん(2022年度工学部建築学科卒?東京都市サービス株式会社)と田口喬也さん(同?イシグロ株式会社)も出席。卒業研究として熱供給開始以降の実績データの整理や分析、改修効果の算出、運転課題の抽出などを行った当時を振り返り、牛丸さんは、「東京サービスに入社し、地域冷暖房施設の現場で、この研究で取り組んできたのと同様に熱供給システムの運用の高効率化に携わっています。学生時代に実際のデータを使って研究に取り組んだ経験が現場で生かせています」とコメント。田口さんは、「配管機材を扱う商社に勤務しており、一般建築に限らず多種多様な特殊施設等にも関わる中で、こうした知識を持っていることは大切だと感じています。学生時代に関わった研究が、こうして評価されてとてもうれしい」と話しています。山川教授は、「学生たちには実際の建物や設備に触れ、エンジニアがどのように課題と向き合い、解決していくのかを身をもって感じ、社会課題を解決する力をつけてほしいと考えています。社会に貢献したいと考えて取り組んできた研究を評価していただき、大変光栄です。いい技術でも認知や普及に時間がかかるケースが多いため、広くたくさんの方に知ってもらえる機会になれば」と話していました。