建築都市学部ではパビリオンプロジェクトの審査会を5月28日に、山田清志学長へのプレゼンテーションを30日に湘南校舎で行い、最優秀賞を決定しました。本プロジェクトは建築学科と土木工学科1年次生の必修科目「入門ゼミナール」の一部として企画したもの。学生たちが集い、実現に向けて力を合わせ、湘南校舎15号館前の小広場に人、モノ、情報、未来をつなぐ「マグネットプレイス」をつくり、11月1日から3日の「建学祭」で披露する計画です。両学科合わせて410名の学生を2~4名のグループに分け、4月23日と5月14日に課題や敷地状況の分析、アイデアの着想、形を考える「エスキース」に取り組み、綿棒とストローで模型を制作しました。
28日の審査会では、5つの教室ごとに学生たちが模型と資料を用いてコンセプトや作品を完成させるまでの経緯などを説明し、建築学科と土木工学科の教員が審査しました。各教室上位4作品を集めた2次審査では、両学科の教員がデザインや実現可能性、コンセプトなどを踏まえて話し合い優秀賞1席から4席までを選出しました。優秀賞1席は角田俊太朗さん、佐藤敢太さん、辻田和志さんのグループは、「みつける。くぐる。つどう。」と題したアーチ形のパビリオンに決定。プレゼンでは「ねじれを強調し、けやき並木の続く中央通りに沿うようにすることで見つけやすい形にしました。メインストリートと広場の間にゲートをつくり、くぐって敷地内に入ると、独立した落ち着きのある空間で人が集まりやすくなります」とコンセプトを説明しました。優秀賞2席には、植松壮太さん、名嘉一樹さん、塩島楓菜さんによる、地中に潜るリュウグウノツカイをイメージした「深海の世界で休憩しませんか?」を選出。優秀賞3席には橋本葵さん、中里光希さん、梅村希碧さんのベンチのまわりにヘビをデザインした「とぐろを巻く休憩所」、優秀賞4席には原口慎太郎さん、野上星翔さん、李欣宇さんの上から見ると星型に見え、カラーフィルムが地面にカラフルな色をつける「明星」が選ばれました。
4グループの学生は30日に山田学長とユニバーシティビューローの松本隆ゼネラルマネージャー(広報担当)、本学部の岩﨑克也学部長の前でプレゼンに臨み、角田さんらの作品が実際に15号館前の小広場に建設する最優秀賞作品に決まりました。4作品の説明を聞き、審査にあたった山田学長は、「どれも素晴らしい作品でしたが、最優秀賞の作品は場所や設置方法まできちんと考えられていました。皆さんからプロジェクトを体験した感想をうかがい、ほかの学部でも応用できる新しい教育の形だと感じました。今回の経験をバネに、今後も勉学にいそしんでください」と講評。最優秀賞に選ばれた佐藤さんは、「作っている最中はこのような場に立ち、まさかこんなにもいい賞をもらえるとは思っていなかったので、素直にうれしいです」と語り、辻田さんは、「プレゼンは初めての経験でしたが、みんなで案を出し合い、いいものにできたのではないかと感じています。コンセプトを大事にしながら、なるべくそのままの形で実現できるように取り組んでいきたい」とコメントしました。
今後は工学部建築学科や大学院工学研究科の学生も交えたプロジェクトチームを立ち上げ、応力解析や設計図の作成などを経て、10月下旬に学生たちの手で15号館前の小広場に建設する予定で、角田さんは、「先生方や先輩方にも助けてもらいながら、自分たちのアイデアが実際の形になっていく過程を一から経験したい」と意欲を見せました。