11月8日に、オンライン会計セミナー「FOLLOW YOUR HEART ―USCPAが語るキャリアの話-」を開催しました。セミナーは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ビジネス経済学部を卒業後、Ernst & Young Chicago LLP、EY新日本監査法人を経て、現在、武田薬品工業株式会社で内部統制(US-SOX)業務に従事する、米国公認会計士(USCPA)の古谷静香氏が講師を務めました。
当日は、まず松原沙織教授(経営学科)が、開会のあいさつとしてセミナーの趣旨を説明。「多くの企業で日本的雇用慣行が揺らぎ,1つの企業にとらわれない流動的な働き方が増していくなか、現代社会ではプロフェッショナルとしての働き方が求められています。今回は会計と英語を武器にプロフェッショナルとしてキャリアを積み重ねてきた古谷静香氏の経験や見識を伺い、学生の皆さんが会計をベースにキャリアを考える上での糧にしてもらいたいと思います」と話しました。
続いて古谷氏が、アメリカ留学に至るまでの経緯や、会計士を目指すきっかけなど自身のキャリア形成を振り返りながら、「キャリアとは人生における選択の積み重ねであり、自分の生き方そのものだと考えています。“幸せな”キャリアとは、自分の価値観に基づく選択の積み重ねであると言えるでしょう。選択には意識的に行うものと、無意識に行っているものがありますが、無意識な選択にはものの見方や考え方を支配する認識の枠組みである『パラダイム』が関与しています。自分のパラダイムを認識し、意識的に選び取ることで自分の人生をコントロールできるようになります」と提言しました。さらに「自分の価値観を知るために、喜びや楽しみを感じ、望み、意味を見出せるものが人生の目的です。キャリアが選択の積み重ねであれば、人生の目的を知っていれば心に従った納得のいく選択ができ、チャンスが来た時にもそれを逃がさず掴むことができます」と伝えました。
後半では、会計士の仕事やUSCPAのキャリアについて紹介。担当する企業が適切に事業を進めていくためのルールや仕組みをつくる「内部統制」の仕事の概要をはじめ、組織で働くことの魅力や自らの選択によるキャリア形成への向き合い方について語りました。また、USCPA資格の受験に必要な知識、試験の概要、監査法人や現地採用、海外での開業といった働き方を解説し、「“英語が苦手だから自分には無理”と考える人がいるかもしれませんが、やる気があれば大丈夫です。USCPAが皆さんの人生の目的にフィットするようであれば、ぜひチャレンジしてください」とメッセージを送りました。
Q&Aでは,学生から寄せられた、「AIの進化と会計士の仕事のあり方」や「大学で会計を学ぶ意義」「USCPA受験に至るまでの進路形成」「海外留学と英語力向上の関係」といった質問一つひとつに古谷氏から丁寧に回答して頂きました。最後に「このセミナーをきっかけに、“会計のスキルがあればこんなことができる”と知ってもらえたら嬉しいです」と語られました。