文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科と文学部歴史学科西洋史専攻共催で、1月14日にシンポジウム「食べる、飲む。」を開催しました。
文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科と文学部歴史学科西洋史専攻では、両者の共催により、1月14日にシンポジウム「食べる、飲む。」を開催し、「食文化」を切り口として、両学科の教員がそれぞれの専門分野からの知見を発表しました。
本学科の中村るい先生は、「古代ギリシャのワインと器」で古代ギリシャ文化における葡萄酒の位置づけ、神話との関連、ギリシャ陶器の在り方などを報告しました。 歴史学科の大谷哲先生は、「他人の金で焼き肉が食べたい 古代ローマにおける肉食」で、古代ローマ社会での肉食は、宗教儀礼?饗宴文化に結び付き、経済力の象徴でもあり、同時に野蛮さを表すものであったことを明らかにしました。歴史学科の川﨑亜紀子先生は、「ミシュランで食べる、旅する―ベル?エポック期における『地方料理』の発見」で、ミシュランガイドが美食と観光を結合させ、パリ中心の高級料理と地方料理の結合による新しいフランスの国民料理の成立について報告しました。本学科の原基晶先生は、19世紀末のイタリア国家出現によってイタリア料理という概念が可能になったという国家主義的な言説が不可能であることを指摘しました。
シンポジウム全体では、集団の形成、集団内における階層の形成、それが拡大した近代における国民統合の可能性と、一方で、そうした社会的?文化的な事象についての単純な国家主義的説明が不可能であることを提示できたと思われ、非常に有意義でした。
学内会場ではマスクの着用、換気、入場制限などのコロナウィルス感染症対策を徹底し、Zoomも併用、総計188人の参加があり、大変な盛況となりました。