文化社会学部文芸創作学科の青山七恵講師が「2022年度ティーチング?アワード」の優秀賞に選ばれ、4月1日に湘南キャンパスで行われた授賞式で松前義昭学長から賞状と目録が授与されました。本学では教育の質向上を目指し、2002年度から優れた授業を行う教員らを「ティーチング?アワード」として顕彰しています。学生による授業アンケートなどの結果に基づき、ユニバーシティビューロー(学長室)を中心とした厳正な審査を経て学長により決定されるもので、2022年度は5名に優秀賞を授与しました。
小説家として多数の作品を発表し、芥川賞や川端康成文学賞などを受賞している青山講師は、「世界の文学A」「クリエイティヴ?ライティング1、2」「現代文学のフロンティアA」などの科目を担当。文学作品を読む力、書く力を高めてもらえる授業を目指しています。ドフトエススキーなどの古典作品を読む「世界の文学A」では、自ら描いた登場人物の相関図を用いて複雑な関係を分かりやすく解説。難しいと敬遠されがちな作品に興味を持ってもらうためのきっかけをつくるとともに、作品の面白さや文学の本質、読む醍醐味を、学生自身の力で実感してもらえるように努めています。また、小説家を志す学生が多く受講する「クリエイティヴ?ライティング」の授業では、固定されたイメージや偏見を払拭して真っ白な心で物や風景を見つめ、それを忠実に言葉で表現するといった、描写力を高めるための実践的な授業を展開しています。
青山講師は、「自分の授業が学生たちに少しでも響いていると分かって安心しました。書くことはどのような職業に就いても切り離すことはできない、社会生活に必須の営みです。ビジネス文書と文芸書では当然用いるロジックが異なりますが、いずれの場合も語彙力や表現の幅といった、文学を通して養われる言語感覚が求められると思います。学生たちが読書の幅を広げるとともに、“自分の中のより深いところに届く言葉”や“伝わる表現”を見いだしていけるよう、これからも努力していきます」と話しています。