ヨーロッパ?アメリカ学科の学生3名がブルガリア政府からの奨学金を得てサマースクールに参加しました

文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科の学生3名が7月初旬からの約3週間、ブルガリア政府からの奨学金を得てソフィア大学のサマースクールに参加しました。

同大学はブルガリア最古の高等教育機関で、サマースクールは開講60周年です。学生たちがゼミナールでブルガリアをはじめとする東ヨーロッパの歴史や文化を学んでいる飯尾唯紀教授の研究室を訪ね、サマースクールの経験を振り返りました。参加したのは、本学科の大石貴之さん(3年次生)、黒川愛美さん(同)、土肥美森さん(同)です。参加にあたって英語で申請書を作成。書類選考を経て参加が決まったのは出発まで1カ月を切ったころでした。ブルガリアのサマースクールは2つの大学で開催され、日本から奨学金を受けたのは12名で、ソフィア大学のサマースクールに参加したのは本学の3名をはじめ、大阪大学、北海道大学などの6名。世界各国からの参加者と共同生活を送りながら言語や文化などを幅広く学びました。

大石さんは参加のきっかけと準備について、「東欧に興味があり、最初はソフィア大との交換留学に参加しようと思っていましたがタイミングが合わず、サマースクールへの参加を希望しました。授業は英語が主体と聞き、日常会話も含めて各国の参加者たちとスムーズにコミュニケーションが図れるよう準備に力を入れました」と話します。一方で、「現地では講義に慣れるまで時間がかかりました。英語のトークスキルは磨けても語彙力に乏しく、外国人学生とは深い話ができずにずっとジャブを打っているように感じたこともあります」と大石さん。「それでも、生活するうちにブルガリア語で交通標識や案内などの文字は追えるようになり、よく使われる表現や駅のアナウンスも聞き取れるようになりました。帰国してブルガリア語をさらに学びたいとの気持ちが強くなり、今学期の授業ではあらためて基礎固めをしています。ゆくゆくは海外とつながる仕事に就ければ」と将来の希望を語りました。

黒川さんは、「もともと人見知りの性格なので、現地ではできるだけ多くの人と話そうと心がけました」と振り返ります。実感したのは、まず言葉が伝わらないと気持ちも伝わらないけれど、身振り手振りなどさまざまな手段で思いを伝える大切さです。コミュニケーション力に不安はあったものの、やはり自分は言語を学ぶことが好きなのだとあらためて再認識しました。これからは授業だけでなく独学でも、フランス語や中国語、韓国語やスペイン語など多様な言語を学びたい」と目を輝かせています。

「私は言語学習が苦手かも、と思った」と笑うのは土肥さん。「東欧の国を訪ねられる絶好の機会と思い軽い気持ちで応募したものの、ソフィア大の授業は英語のレベルも高く、大変でした。それでもヨーロッパなど海外への興味は尽きないので、これからもっと英語力を伸ばしたい。就職活動も始まっているので、海外部署がある企業を目指します」と抱負を話しました。

3人はそれぞれに授業以外でも多様な経験を積んだといいます。「現地では市内観光で乗ったバスの料金支払い時のトラブルなど、あらかじめ調べていた“ブルガリアあるある”をそのまま経験。日本では感じたことのない緊張感も含めてよい経験になりました」と土肥さん。3人一緒にセミナー期間の折り返しで楽しんだピクニックでは、他国の参加者たちと一緒にサッカーやバレーボールを楽しみ、一気に親しくなったと振り返りました。黒川さんは、「かねてから韓流文化に興味があり、思い切って韓国からの参加者に話しかけて友だちになりました。今でも連絡を取り合っています」。大石さんも、「農業が盛んなブルガリアは田園地方が広がり、自然が豊か。小高い丘に登るだけで広大な景色が見渡せるし、夜はプラネタリウムのように夜空が広がります。北欧やアジアなど多様な国のさまざまな年代の参加者と知り合い、日本では得難い経験と友情を得ることができました」と話しました。

3人の話を聞きながら「入学したのはコロナ禍中で、海外に行く機会も限られていました。そのような中で積極的にチャレンジした意義は大きいでしょう」と飯尾教授。「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户と東欧圏との学術交流は、創設者?松前重義博士以来の歴史があります。旧?文学部文明学科東欧課程を卒業した人の中には、ブルガリアをはじめ東欧諸国に留学し、ヨーロッパ関連企業で活躍している先輩も多くいます。これからも多くの学生に貴重な東欧諸国への留学の機会を生かすよう、勉強を続けてほしい」と話しています。