広報メディア学科では現在、課外活動として9つのメディア実践プロジェクトが行われています。私はそのなかのJPOT(Journalism Project of Tokai = 東海ジャーナリズムプロジェクト)の学生です。JPOTとは、広報メディア学科の羽生浩一教授と日本ジャーナリスト会議(JCJ)の指導?協力を受け、活動を行っています。主な活動内容は毎年、夏ごろから冬にかけて「JOURNALISTs」という冊子の制作のための取材及び編集を行っています。その他にも、さまざまなジャーナリズムに関わる活動や講座などで、実践的かつ主体的に学び、発信しています。
本格的に活動を開始してから6年ほどになりますが、卒業生たちはジャーナリズムやテレビの番組制作の現場などで活躍しています。この9月から10月にかけて3回にわたり、私たち現役生のメンバーがJPOTのOB?OGメンバーをオンラインの交流会にお招きし、在学時そして卒業後のご活躍についてお話を伺いました。その模様を全3回に分けてお伝えします。
第1回目の先輩: 榎本 ライ さん (16年3月卒 記者 共同通信社 福岡支局勤務)
Q.大学入学前から記者を目指していたそうですが、その理由は何ですか。
A. 最初は中学生の頃で、ケビン?カーターの写真を見て、写真の持つ力に驚きました。そこからカメラマンや記者という職種に惹かれていったんですが、好奇心が強かったので、記者を大学入学前から目指していました。さらには、記者という仕事は、ニュースとか世の中で起きていることを、誰かから知るのではなく、自分の目で見て伝えられる、というところに興味を持ったこともきっかけです。現状としては、とても記者という仕事が楽しいですね。毎日同じことの繰り返しではなく、歴史に残るような事象に立ち会えること。さらには、予想した結果とは全く違った結果が得られることも面白いですね。
Q.記者として気をつけていることや、ネタを取るために行っていることとは何ですか。
A. 多くの人との出会いを大事にすることを心がけています。ただ、それは記者に限らず、どの業種でも同じだと思います。実際に、私の経験なのですが、大学時に講演を聞いた縁から、関係を続けて、最近の記事に活きたこともあります。あとはできた繋がりを長く続けることも大切ですね。人との繋がりで人生は豊かになると感じています。
Q. 夢や将来の仕事が見つかっていない大学生に、アドバイスできることとは何ですか。
A. 僕は、記者になるという目標を大学入学前から持っていたので、逆算して、自由に取材活動や研究を行えるゼミなどを履修していました。そこでは、インタビューする相手の書籍を読み込んで勉強することなど、準備をして取材に臨む姿勢を学べました。仕事をどう捉えるかは考え方だと思いますね。僕は、人のためになる仕事をしたいと考えていました。なので、仕事をベースに将来のことを考えてきましたが、別に仕事を目標にしなくてもいいんじゃないかな。自分がやりたいことに対して、向き合って。それは苦しいことだけど考え続けることが大事だと思います。好きなだけなんでもできちゃうのが、この大学だと思うし、手厚いサポートをしてくれる先生もいる。やりたいと思ったことについて、先生を頼ってみることができる環境だと思っています。
?交流会を終えて?
今回交流会を行い、私が一番強く感じたことは、人との繋がり合いの重要性である。交流会では、担当者である私が、気になったことを投げかけるという形式で、予定時間は三〇分程度だった。しかし、会は二時間半にも及ぶ盛り上がりをみせた。
榎本さんの話を聞いていて終始、自らの仕事にプライドをもって楽しんでいるように感じた。その要因としては、人との繋がり合いを大事にしていることにあると思えた。交流会では質問の受け答え以外にも、榎本さんは私たちに質問を投げかけてくれるなど、緊張をほぐしてくれた。その姿勢からは、まさに自身も述べられていた人との繋がり合いを大事にしていることがうかがえた。
大学生というのは、自分の意思次第で、どこまででもコミュニティや活動の幅を広げていけ、夢を追いかけられる存在であること。そして、多くの人びとと出会える環境がある。そうした出会いは、 今後の仕事に活きることや、関係性を続けていけば、人生を豊かにしてくれる出会いに繋がる可能性もある。私たちの学生生活は、コロナ禍ということもあり、目標をみつけて動くことは困難に思っていた。しかしその中でも、主体的に見つけようとする姿勢と、人との繋がり合いを大事にする姿勢が求められると感じた。
(文責:藤井 一真 広報メディア学科3年生?JPOTメンバー)