北欧学科のサマーセッション科目「北欧文化特講B」(原田亜紀子准教授担当)が、7月30日から5日間に渡り実施されました。この授業は、北欧における移民?難民の増加に伴う宗教や文化の多様性をめぐる社会状況を学び、多文化共生の道を探ることを目的とします。また、北欧の多文化化の課題を日本を合わせ鏡として捉えるための、フィールドワークも行います。
セッションの前半では、多神教からキリスト教への改宗、宗教改革、ルター派と福祉国家、さらに、デンマークの牧師?思想家?詩人?教育者?政治家のグルントヴィの思想と社会への影響について、講義とグループワークにて学びました。
その後、フィールドワーク先である東京ジャーミィと、ルーテル市ヶ谷教会での質問項目の作成などの準備を進めました。
日本最大のモスクがある東京ジャーミィでは、金曜礼拝に来られた様々な国のムスリムの方々と学生が交流し、広報の下山茂さんからのご講義を受けた後に礼拝にも参加。
ルーテル市ヶ谷教会では、礼拝参加後、浅野直樹牧師からのご講話と信者の方々と学生とのグループでの対話の時間を設け、時間が足りないくらい話が弾みました。
学生からは、
「信徒の方との交流によって新たな視点が獲得できました」
「実際に会ってみないと差別や偏見はなくならず、先入観を持たないことが重要だと感じました」
との声が聞かれました。
原田准教授は「フィールドワークは、信者の方々にとっての信仰の意味や、異教徒として社会に生きるとはどういうことか、を考えるために行いました。日本国内における同様の社会課題と比較することにより、北欧と日本に共通する多文化社会における問題群に関心をもつきっかけになればと思います」と語りました。