2019年3月に北欧学科を卒業し、現在はフィンランドのトゥルク大学大学院で勉強を続ける真柴奏(ましば かなで)さん。12月に入って一時帰国をしたのを機会にいろいろと話をうかがいました。
真柴さんはフィンランド語を勉強し、現地に留学したいという希望を胸に北欧学科へ入学しました。bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户は北欧5ヶ国すべてと協定を結んでおり留学が可能ですが、その派遣留学制度を利用して真柴さんはフィンランドのトゥルク大学に留学しました。3年生の後半から留学する学生が大半ですが、真柴さんは人一倍の努力を重ね、早くも2年生の後半から留学し、約10か月の間をフィンランド語だけの世界で過ごすという経験をしました。
卒業後はさらにトゥルク大学の大学院を受験し見事に合格しました。現在は、フィンランド語の最大の特徴である目的語の表し方について、日本語の文学作品とそれをフィンランド語に訳した作品とを比較しながら研究を進めています。ただ、コロナウイルスの影響もありリモートでの授業が中心だったため、暗い冬の間は「自分はこんなところでいったい何をしているんだろう」と精神的にしんどい時期もあったそうですが、「友人とカフェへ出かけたり、スケートをしたりして春が来る頃には立ち直ることができた」とのことです。
そんな真柴さんがフィンランドについて一番強く感じていることは、フィンランドには「学ぶことの自由」があるということ。大学には普通高校だけではなく職業高校出身者も入学してきますし、一度社会に出てから入学してくる人、仕事をしながら大学で学ぶ人、あるいは移民や難民、そして真柴さんのような留学生など多様な背景をもつ人々が集まるのがフィンランドの大学。まさに「多文化共生社会」となっているそうです。その鍵になるのが、誰もが「学びたいことを学べる」態勢が整っているということ。「それを社会全体で支援していることが何とも羨ましい」と感じるのは真柴さんだけではありません。「よい大学、よい就職」という視点からだけ人生を考えることの多い日本とは大きく異なっているようです。あるいは、フィンランドでは当たり前のことですが、日本では社会に出てしまえば大学へ戻って学ぶことはほぼ不可能な気がします。そういう日本の視点から見ると、何歳になろうと「学びたいことを学ぶ」ということを可能にしてくれるフィンランドという社会の在り方に、真柴さんは大きな魅力を感じているとおっしゃっています。
後輩や若い人たちに向けて真柴さんからの一言です。
「私の現在の目標は修士論文を完成させることですが、その後の進路についても考えなければならないと思っています。自分自身がまだまだ「迷走中」ですので偉そうなことは言えないのですが???。日本の多くの高校生や大学生は「何が安全策なのか」を基準にさまざまな選択をしているように感じます。それを否定はできませんが、私自身は「何を選んだとしても安全策などない」と思っています。言い換えれば「何が正解なのか」を事前に知ることは不可能です。そうであるなら、自分のやりたいことを選択し、その選択がまちがいでなかったと思えるように自分の力で進んでいくしかないと思っています。皆さんも本当に興味をもてることを見つけて、その道を進んでいってください!」