アジア学科の留学生との交流会-小田原かまぼこ紀行

「いせかね」さんの店舗で

アジア学科の大きな特徴の一つとして、各学年に10人近い留学生がいることが挙げられます。
学科そのものが雑多なアジアになるわけですが、定期的に留学生の交流会を開いています。
今年度は2024年11月30日に開催。
3名の留学生(内1名は工学部)と学部生2名、大学院生1名で、小田原のかまぼこ工場の見学に出かけました。

「いせかね」さんの店舗に到着するご一行

小田原駅南口にある二宮尊徳像の前に集合し、まずはかまぼこ工場のある「いせかね(伊勢兼)」さんまで歩きました。
旧東海道沿いに店舗があり、他にも何軒かのかまぼこ屋が軒を連ねていました(写真1)。

店に入り、杉山社長に迎えられ、早速、店の裏にある工場へ。
この日は現在の主力商品のちくわを製造していました。
石臼で練ってから、棒にさして焼いていく工程です(写真2、3)。
ほとんどが機械化されているように見えるのですが、石臼で練るところは、人がつきっきりで、粘り具合を見ながら、水を足していくという、細かく丁寧な作業をしていました。

昔ながらのちくわの製法を再現してくれる杉山社長
焼き加減をチェックする学生たち

一通り見学が終わると、杉山社長に小田原のかまぼこ産業の歴史とその衰退の過程、さらに新たな試みについて、お話いただきました(写真4)。
かまぼこ産業の衰退の一因に、近海の魚が獲れなくなったことがあったという話は興味深かったです。
漁獲減少の原因を、魚の取り過ぎに求めることは容易なのですが、このケースは違いました。

杉山社長のお話

減少の一番の原因は、それまで海に捨てていた、調理過程で出てくる内臓などの魚のアラが、公衆衛生上、海に捨てられなくなったことにあるそうです。
アラは近海の魚にとって豊富な餌でした。
そうした規制によって、餌が無くなり、結果、魚を減らしたことは、自然のサイクルから考えると、首肯できる話です。
人間の暮らし方と漁獲資源が相互に結びついた好例として興味深かったです。

また、ちくわを軸に、新しい事業拡大を試みている杉山社長の話も大変面白かったです。
現在、小田原には約40以上のジムがあり、プロのボディービルダーも移住してきているそうです。

タンパク質を効率よく摂取するには、プロテインよりも魚肉の方がいいため、ジムに通う人たちを対象に、高タンパクな、一口サイズのちくわを開発しました。
小田原のスーパーを中心に販売され、口づてに知られるようにもなったと言います。
ご本人もジムで鍛えているだけでなく、奥様を実験台にその効果を試していて、先日、韓国で開催されたボディービルの大会で入賞したという逸話も披露してくれました。

今回参加した留学生3名は中国出身ですが、それぞれの出身の地域は異なります。
海に近い上海に育った学生は、自分の育ったところにも練りものがあり、食べたことがあると話していました。
その一方で、海から遠い北京出身の学生は、それはないな、と語っていました。

「いせかね」さんを後にしたご一行は、小田原出身の1年生の学生に案内されて小田原城付近を散策しました(写真5、6)。
ジェラート屋に寄って(写真7)、まぶしく輝く太平洋の海を見て、この日は解散になりました(写真8)。

お堀のカモで盛り上がるご一行
無料公開中の「青閑亭(せいかんてい)」の庭を見に坂をのぼる
ジェラート店でのしばしの休憩
太平洋の波で戯れる留学生
集合場所の小田原駅の二宮尊徳像

今回の集合場所だった二宮尊徳像は、散策中に小田原各所でも見られました(写真9)。
有名な二宮さんの子供時代だけでなく、壮年時代の像もありました。
杉山社長も二宮さんの名言を口にしていました。
せっかくご縁をいただいたので、留学生たちとともに、二宮尊徳を求めて、再び小田原を旅します。

(文責 杉本浄)