文化社会学部北欧学科では10月から12月末まで、ノルウェーの企業や団体でのオンラインインターンシッププログラムを実施しています。本学科の学生を対象に北欧の企業や団体の業務を経験する機会を設けることで、企業の仕事を実際に経験し、卒業後のキャリアを考えるとともに、北欧の北欧社会や文化への理解を深めるきっかけにしようと行ったものです。昨年度はスウェーデンのボルボ社の協力を得て実施しており、今年度から新たにノルウェーのプログラムを開始しました。
今回は、ノルウェー商工会議所、日本ノルウェー協会およびサプリメントメーカーのアーケルバイオマリン社の協力を得て実施し、学生6名が参加しました。事前に学生と各企業?団体の代表者による意見交換会を行い、双方のニーズや希望を出し合ったうえでコロナ禍でも可能なプログラム内容を検討してきました。ノルウェー商工会議所では、SNSでの効果的な情報発信方法の検討や掲載記事の作成、団体の紹介動画作成などに従事。アーケルバイオマリン社では、同社が扱っている「クリルオイル」関連の英語リポートやPR動画の翻訳、サンプル商品の日本語パッケージ作成、日本語でのプレスリリースの作成などを体験し、取引先との勉強会にも参加しました。また、日本ノルウェー協会では、日独協会や日本フィンランド協会など類似の役割を担っている団体との比較研究に従事。12月9日には、団体の理事や関係者らにオンラインで成果を発表し、団体の発展に向けた提案を行いました。
ノルウェー商工会議所のプログラムに参加した川﨑一史さん(3年次生)は、「このインターンシップに参加したことで、北欧にかかわる仕事がしたいという思いがより明確になりました。北欧の企業や団体のインターンシップ受け入れ情報はほとんど公開されておらず、学生自身の力だけでこうしたプログラムを見つけることは難しいため、学科が用意してくれたことで大変助かりました。また、団体の特徴をとらえた情報発信のあり方などについて自分なりに考え、記事を作る中でこうした団体の活動の魅力も知ることができました」と語っています。また、アーケルバイオマリン社に参加した深澤寿美歌さん(4年次生)は、「実務を体験できたことで、マーケティングへの理解が深まり、他の企業のコマーシャルや販売戦略などにも関心が向くようになりました。多くの社会人と接する機会もあり、『私もこの人たちのように活躍できるようになりたい』という意欲もわいてきました」と話しています。
受け入れた企業や団体からは、「学生たちが創造力を発揮して仕事に臨んでくれたことで、我々が想定していなかったアイデアが出てくるなどメリットも多かった。今後も定期的にこのプログラムに協力し、より充実した内容にしていきたい」「コロナ禍で実現できたこと自体が素晴らしい。我々にとっても初めて実施するプログラムでしたが、若者たちにノルウェーの文化に興味を持ってもらうという文化交流の面でも有意義であり、今後も継続していきたい」といった声が聞かれました。