文化社会学部「知のコスモス」ヨーロッパ?アメリカ学科主催シンポジウム「映像と文化 神話?怪物?国民性」を開催しました

文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科では1月21日に、文化社会学部「知のコスモス」ヨーロッパ?アメリカ学科主催シンポジウム「映像と文化 神話?怪物?国民性」を開催しました。文化社会学部の連続企画「知のコスモス」の一環として、本学科教員の研究成果を学内のみならず学外にも向けて広く伝えるために学期ごとに実施している企画です。bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户感染症対策のため、WEBビデオ会議システム「Zoom」を用いたオンラインでの開催になりました。今回は「映像」を切り口として、学科の教員がそれぞれの専門分野からの知見を発表。本学科の学生を中心に、他学科の学生や学外から60人をこえる参加者が聴講しました。

初めに、今年度着任した中村るい教授が「映像のなかのトロイ伝説」と題して、ギリシャ神話のトロイ伝説のエピソードがどのように映像化されているかを、ギリシャ映画とアメリカ映画を例に検討した研究成果を報告。トロイ伝説の概要と関連する考古学上の発掘資料も合わせて考察し、ヨーロッパ文化の基盤に組み込まれた「トロイの記憶」について論じました。続いて、丸山雄生講師の報告「なぜゾンビに馬を食べさせるのか」では、近年世界的な流行が続くゾンビをテーマに取り上げ、その傾向と問題関心をアメリカ文化の文脈の中で解説しました。ゾンビのオリジネイターであったジョージ?ロメロ監督の最後の作品『サバイバル?オブ?ザ?デッド』の馬肉食の場面に注目し、その意味を精緻に読解することで、人間とゾンビと動物の境界の消失と、それがもたらす人間の自己理解の変化を指摘しました。

最後に飯尾唯紀准教授が「社会主義のあとさき:映像と国民文化」と題して、ヨーロッパ東部の映像と国民文化のかかわりについて、ハンガリーのアニメーションを素材に論じました。社会主義期の映画産業国有化の功罪や、体制転換後の映画を取り巻く状況を解説し、映像と政治体制の密接な関連を具体的に指摘しました。