文化社会学部は、5月30日に「2018年度第2回研究交流会」を開催しました。この取り組みは、研究と教育の融合と教員間の交流の促進を目的として、各回2名の教員が登壇し、自身の研究内容や授業への反映の仕方などを報告し、参加者との間で意見交換を行うものです(年4回開催予定)。今回は、ヨーロッパ?アメリカ学科の丸山雄生講師と広報メディア学科の笠原一哉講師が登壇しました。
丸山講師は「アメリカ史と動物研究の展開」をテーマに、歴史学における動物の位置づけを、社会史や人間と動物の関係史の視点から整理した上で、「動物は自ら歴史を伝え残すことができないため、動物についての記録はすべて人間の視点でしか語られていません。その中で、昨年度は『人間を中心として動物を捉えること以外に何かをつかむ』ことを目標に、『西ヨーロッパ地域研究B』の授業で、文献の調査や動物の観察、エスノグラフィーの作成を行いました」と、授業での展開について紹介しました。
一方、笠原講師は「新聞二極化時代のメディア?リテラシー」というテーマで、新聞社のスタンスの二極化のポイントとなった複数の出来事が、新聞社のスタンスとどのように連関したのかを提示するための理論的枠組みを紹介。また、新聞を学校教育に活用する「NIE」の取り組みについて、「『ニュース』と『オピニオン』の区別があいまいな日本の新聞をそのまま使用しては、政治的中立性が確保できません。特定の新聞から独立した機関が多様な記事を使って教材を作成するべきだと考えます」と語りました。両講師の報告後は、参加した教員との間で活発な議論が交わされました。