文明研究所では8月27日から9月21日まで湘南キャンパス17号館2階のネクサスホールで、本学の文明研究所が所蔵するアンデスコレクションの一般公開を実施しました。本学のコレクションは、南米で栄えた「アンデス文明」のうち紀元前14世紀から紀元後16世紀までの歴史を物語る土器や布製品など1892点で構成されており、その質と量は日本の大学や博物館が所蔵する資料群としては最大級のものと高く評価されています。今回のイベントは、本研究所が進める「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户所蔵文化財活用のための基盤整備」プロジェクトの一環として、布製品や土器の写真撮影に合わせて開いたもので、期間中には市民や教職員、学生ら多数が来場しました。
9月12日には、本キャンパスの松前記念館「歴史と未来の博物館」で「博物館実習」を受講している学生たちが来場。中南米文明を研究している文学部文明学科の吉田晃章講師や文化社会学部アジア学科の山花京子准教授の解説を受けながら、布製品を見学しました。学生たちは、「アンデス文明というと黄金に輝く仮面など派手な色彩のものを思い浮かべがちでしたが、シンプルな色彩の布製品も用いていたことを知り、イメージが変わりました。こうしたものを実際に使っていたのかと想像するだけで、とても面白かった」「以前にインカ文明の展示会に行ったときに布製品の一部を見たことはありましたが、あらためてじっくりと見ると模様も独特で、民俗学的に見ても重要なものなのだろうと想像しました。間近に観察できる機会はなかなかないと思うので、とてもうれしい」と話していました。
山花准教授は、「アンデスコレクションに含まれる土器や布製品は、ヨーロッパやアジアで発展した文明と比較しても色彩やデザインが独特で、全く異なる思想や社会のもとで生まれたことをうかがわせるものが多く、工芸的にも美しい。今後もコレクションを積極的に公開し、その価値や魅力を発信していきたい」と話していました。
なお、2019年3月には湘南キャンパス11号館1階の付属図書館展示室で、文明研究所蔵アンデスとエジプトの合同企画展を開催します。