大学院工学研究科1年次生の澤口佳那愛さん(指導教員=工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻?水書稔治教授)が、11月18日から28日まで北海道?陸上自衛隊矢臼別演習場で行われた経済産業省主催の「火薬類保安技術実験」に参加しました。この実験は、火薬類取締法の改正時に必要なデータ取得を目的に定期的に行われており、経産省のほか、委託を受けた国立研究開発法人産業技術総合研究所や公益社団法人全国火薬類保安協会が中心となって実施しています。
澤口さんは、航空宇宙学専攻の4年時に国家資格「火薬類取扱保安責任者(甲種)」を取得しました。火薬に関する研究機関や製造企業の研究者や、ロケット製造?打ち上げ担当者らが業務を行う際に必要な資格で、澤口さんは大学院進学後「資格を生かして、爆発が起きた際のさまざまな影響を解明し、爆風軽減や人体への爆傷軽減につなげる成果を残したい」と研究に励んでいます。今回の実験には水書教授と永年にわたって共同研究を展開している産業技術総合研究所の一員として参加し、最大32kgの火薬が爆発した際に、近くに置かれたコンクリート壁がどのように飛び散るかを高速度カメラで撮影しました。
「学部生時代に、以前実施された同じ実験の映像を見てこの分野の研究に興味を持ちました。憧れていた実験に参加できると決まったときは本当にうれしかった」と澤口さん。「期間中は実験時に使用するカメラのセッティングも担当しましたが、学内ではこれだけの規模の実験に立ち会うことはできないので、とても貴重な経験ができました」と充実した表情で振り返りました。水書教授は、「年齢も研究分野も異なる研究者との大規模プロジェクトでしたので、実験のノウハウを培えるだけでなく、視野も広がったと思います。ぜひ自身の研究に生かしてほしい」と期待を語っています。