本学の大学院生と学生3名が10月10日、フランス?カダラッシュで建設が進められている国際核融合実験炉(ITER)を視察しました。ITERは、欧州 連合と日本など6カ国が協力して建設している核融合エネルギーの実用化を目指す実験施設で、2020年の完成を目指しています。視察に参加したのは、大学 院理学研究科物理学専攻1年次生の田中悠太さんと大学院工学研究科応用理学専攻2年次生の中嶋結さん、工学部原子力工学科3年次生の川俣陽平さんで、スペ インで開催された国際会議「SOFT2014」での研究発表に参加した後、同地を見学しました。
工学部原子力工学科の近藤正聡准教授の引率でITERを訪れた3名は、スタッフの案内のもと施設内にある展示施設や核燃料の保管所、核融合炉の建屋などを 見学。建設の進行状況やITERの研究施設の概要など、核融合発電実現に向けた計画の全体像について細かく説明を受けました。
田中さんは、「研究環境を知ることは日々の研究への意欲や実験への創意工夫が生まれてくるよい源になると思います。私自身も、核融合炉における排気システ ムについての研究も行っており、ITERの完成を楽しみにしつつ、今後も頑張りたいと思いました」と感想を語りました。中嶋さんは、「模型を用いた核融合 炉、それに付随する施設の説明があり、核融合炉の構成機器や各施設の役割、冷却方法などについての話を聞けたことで、研究の背景や先進的な炉についての知 識も得られました。今回の経験を生かせるような原子力のエキスパートになりたい」と抱負を語っています。また、川俣さんは、「実験炉建設現場の広さに驚く とともに、生きた現場を見る貴重な経験ができました。また、研究には探究心と研究そのものを楽しむことが必要だと感じました」と話しています。