大学院生が建築学会設計競技で九州支部入選をしました

大学院工学研究科2年次生の板部奈津希さんが、2014年度日本建築学会設計競技で九州支部入選をしました。この設計競技は1952年に始まり、審査委員 会が設定した課題に取り組むものです。参加者は実在する敷地を選定して提案を行い、各支部の中で優秀作品が選ばれます。今年は「建築のいのち」と題して、 今後の日本社会に求められる建築の空間的?時間的な価値を考える課題が出されました。板部さんの作品は、九州支部入選を受けて8月1日の全国審査に進みま したが、残念ながら全国入選はなりませんでした。

板部さんの作品は、卒業設計をリメイクした「故郷 甘木んコアば再構築します。~まちの重心をつなぐアマギの杜」。故郷である福岡県朝倉市甘木をフィールドに、幹線道路沿いにならぶ大型商業施設群と古くか らある商店街をつなぐ役割を持つコミュニティーパークを提案しました。パーク内には大型の駐車場やフィットネスルーム、カフェ、レストラン、シニアセン ターを点在させ、子どもが遊べる水辺なども整備。パークを基点に大型店舗群をめぐるコミュニティバスを運行することで、各店舗への移動に公共交通機関を利 用してもらいつつ、現在店舗にある駐車場は緑地化して気軽に歩けるようにし、幅広い年代の市民が集まれる街の新しい重心を作ることを目指しました。

板部さんは、「この作品制作を通して、将来はまちづくりにかかわる仕事がしたいと思うようになりました。その思い出深い作品がコンペで評価をいただくこと ができて、大変うれしく思います。かつては市民が集う場所として機能し、子どもたちにとっては遊び場でもあった商店街の衰退や住民の高齢化、車への依存度 が高い生活といった課題は、全国の地方都市に共通するものでもあります。今回の入賞を糧に卒業後は、住民や出身者が愛情や誇りを持てるようなまちづくりに 貢献できる人になりたいと考えています」と話しています。

大学院生が建築学会設計競技で九州支部入選をしました