工学部建築学科4年次生の大石真輝さん(指導教員=岩﨑克也教授?建築都市学部学部長)と小師大輝さん(指導教員=河内一泰准教授)がこの度、「とよはし公共建築学生チャレンジコンペティション」でベスト8に入りました。このコンペは、建築を学ぶ学生に自らのアイデアが実現するプロセスに参加する機会を提供するとともに、公共施設の建築?修繕に興味を持ってもらおうと今年度初めて開催されました。「地域の風土とともに育つ保育園」をテーマに、2025年4月に愛知県豊橋市のつつじが丘校区に開設予定の豊橋市新吉保育園の移転?新築アイデアが募集され、1次選考には全国の大学生や高校生ら114組が参加。8月28日に豊橋市まちなか図書館で最終審査が行われ、ファイナリスト8組が建築のアイデアをスライドや模型を用いてプレゼンテーションしました。
「地域に広がる保育園 三つの回遊空間×地域を繋ぐ縁側と一本の軸」と題した大石さんと小師さんの作品は「回遊性」をテーマにしています。0歳児室と1歳児室の周りには赤ちゃんが自由に移動できる「ほふくエリア」を設け、2歳児の保育室との間にホールを置いて0歳児から2歳児が触れ合う場をつくりました。建物の周囲は縁側とし、既存の公園や遊歩道ともつなげることで地域住民との交流も生み出しています。正面入り口に垂直にぶつかる道路から建物中央のホール、その先の縁側と公園までを貫く「軸」を設けることで、普段は園児が開放的な大空間で動き回り、休日はバザーや縁日の会場として活用できる案も考えました。
2人は、「計画地を調査していくうえで、風向きが一定ではないというデータを見つけたため、引き戸などの開口部を多くし、屋根も傾斜のあるのこぎり型にして暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行くように流れをつくるなど、さまざまな角度から風が抜けるよう工夫しました」と話します。大石さんは、「岩﨑先生がこれまでに保育園を手がけたことがあるので、提案に対して何が必要か、何が足らないかなど意見やアドバイスをもらいました。夏休みにもかかわらず友人や後輩も毎日模型作りを手伝いに来てくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。実際の設計に進む4案に残ることはできませんでしたが、小師さんは、「構造や設備なども専門の先生にたずねながら詳しく調べ、今までで一番熱意を持って取り組めた、成長できた作品でした」と話しました。