工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻航空技術コースの学生たちがANAの訓練施設で実習を行いました

工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻の授業「航空機整備応用」を履修する3年次生16名が2月19日から22日まで、東京国際空港(羽田空港)周辺にある全日本空輸株式会社(ANA)の訓練施設で実習を行いました。本科目は、少子高齢化に伴う将来的な整備士不足を見据え2022年度に本専攻航空技術コースのウィンターセッション科目として新設した3年次生向けの授業です。ANA整備部門の教官と整備士による講義と実習を通して、航空整備士の業務内容や最新の技術を学ぶことを目的に、今回初めてANAの施設での実習を行いました。

期間中は、羽田空港に隣接するANAの訓練施設「ANA Blue Base」と、羽田空港新整備場地区の「ANAエアフレームメンテンスビル」で、本学部の卒業生を含む8名のANAグループ整備部門職員による実習と講義を受講しました。初日は、整備作業における危険予知や、安全のための声かけに関する講義を受け、2日目は飛行機の部品のモックアップを使って整備に使用する工具の使い方の実習にはじまり、座席、ランディングギア、主翼の燃料タンク点検孔など実機と同じ機材や部品の点検?整備に取り組みました。3日目はここまでの授業を踏まえて、ANA整備センターで退役後に整備訓練専用機として活用されているボーイング737‐500(機体記号JA301K、愛称スーパードルフィン)の整備実習を実施。機体の下に潜り込んでエンジンの点検やオイル交換を行ったほか、タイヤの圧力や通信機器のチェックなど、本番さながらの整備を体験しました。最終日は、運行上の不具合を想定したケーススタディを行い、グループごとに事故防止のための対策や期間中に学んだ内容の振り返りを報告しました。

授業を担当した堀澤秀之教授は、「日ごろ教科書で勉強している内容が実際の実機でどのように活かされているのか、実機に直接触れるという貴重な体験を通じてより深く学ぶことができた4日間でした。実習では、航空機整備はもとより、危険予知や危機管理などについてグループディスカッションを通してより深く考察し他者に伝えることを毎日積み重ねてきました。このような過程は整備以外のどのような業界でも役立つ内容。将来のキャリア形成に生かしてもらいたい」とコメント。池田知行講師は、「最近の学生は普段機械を分解したり組み立てたりするといった作業に取り組むことが少ないので、実機に触れて手を動かす作業は新鮮だったと思います。日ごろの授業よりも積極的に質問し、発言する姿も多く見られ、魅力的な体験を通じて心の成長にもつながったと感じています」と語りました。