「IAEA国際スクール 原子力?放射線安全リーダーシップ」を開催しました

bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户では2月24日から3月4日まで、国際原子力機関(IAEA)との共催で、「IAEA国際スクール 原子力?放射線安全リーダーシップ」を湘南キャンパスで実施しました。本学とIAEAが2018年度に締結した原子力安全教育分野における実施協定に基づき、外務省の多大なるご支援、ご協力のもとで実施しているものです。日本?アジア諸国の原子力?放射線利用に関わる若手?中堅の研究者?技術者を対象に、ケーススタディやゲーム形式の演習などを通じて、原子力安全のためのリーダーシップに関する知識やスキルを養うことが目的で、今回で5回目の開講となりました。IAEAのスタッフと工学部の教員らがファシリテーターとして運営に参画し、日本原子力開発研究機構、日本原子力産業協会の支援を得て参加者を募り、今回は日本およびアジア諸国から19名が受講しました。

期間中の2月27日には、ケーススタディとして原子力分野の現場で起こり得る要件が衝突する場面(例えば、原子力発電所の定期検査での「スケジュール遵守」と「安全」)が想定され、実際の事故発生時の記者会見映像を見るなどして、当時の担当者の振る舞いについてリーダーシップの観点から検証。緊急事態への対処方法などについてグループごとに討議?発表し、全体で議論を重ねました。さらに、事故を起こした原子力発電所の責任者や環境団体、住民といった役割を分担して記者会見を模擬体験。プラカードを掲げて声高に抗議し紙つぶてを投げつけるなど迫真の演技に、糾弾される企業側に立った参加者が思わず声を荒げ会見が一時混乱する場面もあり、緊張感のあるロールプレイを通じて原子力の安全管理への理解を深めました。

湘南キャンパスでの研修後は、3月2日から4日にかけて東日本大震災で発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故について学ぶために福島県を訪問。同発電所の視察や「東京電力廃炉資料館」「東日本大震災?原子力災害伝承館」、環境省の特定廃棄物埋立情報館「リプルンふくしま」や日本原子力研究開発機構の「楢葉遠隔技術開発センター」などを見学しました。

フィリピン原子力研究所研究員のチェリ?アン?ディングルさんは、「以前の参加者からとても有意義な講座と聞き、リーダーとしての資質を磨こうと参加しました。安全管理について学び続ける重要性をあらためて実感し、リーダーとしての責任感をあらたにしました。帰国してこの成果を組織内に伝え、原子力利用の安全性について広く伝えていきたいと思います」とコメント。医学部付属病院画像診断科で臨床助手を務める医師のキタロウ?イルワン?ビン?モハマド?アズランさんは、「研修医時代は福島の病院に勤務していたので、原子力発電所の事故で避難した人々の困難や不安を実感しています。放射線を扱い管理する立場として、誰よりも原子力について理解しなければなりません。グループ討議などで原子力の安全性について学ぶ貴重な体験を経て、これからも正しい知識を啓蒙していきたいと思います」と話しました。