工学部応用化学科の片山恵一教授がこのほど、日本セラミックス協会賞功労賞を受賞しました。これは、セラミックスに関する産業や科学?技術の振興、後進の 育成指導、伝統技術の継承などに功績のあった個人に同協会から贈られる賞で、今年度は片山教授のほか4名が受賞しました。
今回の受賞は、環境に配慮した電子セラミックスの合成と評価に関する研究の業績に対するもの。なかでも、大気中の湿度に応じて電気信号を発生させる「セラ ミック湿度センサ」の分野では、長年にわたって長期的に安定性向上させる技術の研究を重ねて製品化を実現。また、電池用材料の合成にも取り組み、ソルボ サーマル法、マイクロ波照射法、溶融塩法などを用いることで、さまざまな電子セラミックス粉末が簡便に合成できることを明らかにするとともに、粉末を用い た物質(焼結体)の特性と微構造の関係を解明して、この分野の発展に貢献してきました。また片山教授が同協会で教育委員会や行事企画委員会の役員を務めて きたことも評価されました。
片山教授は、「現在流通している携帯電話やパソコンなどほとんどの電子部品にセラミックスの技術が応用されており、さらなる小型軽量化の研究が進むなど、 この分野は今後もますます発展していくことが期待されています。これからも授業や実験、研究などを通して、多くの学生にセラミックス研究の面白さを伝えて いきたい」と話しています。