大学院生が日本原子力研究開発機構の特別研究生に選ばれました

大学院工学研究科応用理学専攻1年次生の鈴木成実さんが、独立行政法人日本原子力研究開発機構の平成26年度特別研究生に選ばれました。この制度は、同機 構が保有する研究環境を大学院生などに開放し、優れた研究を促すことを目的に実施しているもので、全国の大学や研究機関から応募した若手人材の中から選考 を経て35名程度が選ばれます。

鈴木さんは、核融合炉を冷却する際に生じる金属の腐食を防ぐ技術の研究が専門です。核融合は2つの重水素原子を衝突させたときに生じるエネルギーを利用す る技術で、海水から原料を取り出せるほか、熱などによって炉が暴走する危険がないことから、未来の発電技術として世界各国で研究が進められているもので す。鈴木さんは高校生の頃からこの技術に興味があり、原子力工学科に進学。2年次生のときに放射線取扱主任者の国家資格を取得したほか、原子力産業の現場 で中核的な人材となる高度技術者の育成を目指して原子力工学科が行っている「原子力マイスター育成のための実務と教育のブリッジプログラム」を修了。中学 校と高校の理科教員免許も取得し、今春には日本原子力学会のフェロー賞も受賞しています。

今後は夏季休暇などを利用して青森県六ヶ所村にある同機構の青森研究開発センターに滞在し、同センターの教員とともに核融合炉に関する研究に従事します。 「東京電力福島第一原子力発電所の事故を経て、日本のエネルギー政策が再考を迫られている今だからこそ、より安全で安価な発電技術の開発は不可欠です。日 本原子力研究開発機構の高度な実験設備を活用させていただく中で研究を深めるとともに、将来は私が身につけた知識や経験を子どもたちに伝える活動もしてい きたい」と話しています。

大学院生が日本原子力研究開発機構の特別研究生に選ばれました