卒業生の武井誠氏が日本建築学会賞[作品]を受賞しました

工学部建築学科の卒業生で設計事務所TNA主宰の建築家?武井誠さんが、上信電鉄「上州富岡駅」駅舎の設計で2015年度の日本建築学会賞[作品]を受賞しました。この賞は、近年主に国内で竣工した建築設計の中から、技術?芸術の進歩に寄与する優れた作品に贈られる日本でも歴史の古い賞の一つです。本学の卒業生としては今回が初の受賞です。

武井さんが設計した「上州富岡駅」の駅舎は、世界遺産に登録された富岡製糸場の玄関口として知られ、製糸場でも主要建材として使われているレンガを地面から隆起させた高さ約6.5mの柱の上に屋根を乗せた、半外部空間を持つ構造になっています。それぞれの柱は、中心となる鉄筋の周囲に、鉄骨を中央に通したレンガを積み上げることで耐震性を確保。さらに製糸場よりも薄い茶色のレンガを使うことで、地域のシンボルを際立たせる配慮をしているほか、駅舎の周辺にも同じレンガを敷き詰めることで、駅周辺の一体感もつくり出しています。2014年度には世界的な鉄道関係のデザインアワードであるブルネル賞と、日本のグッドデザインデザイン賞も受賞。地域住民の憩いの場としても利用されており、昨年の富岡どんと祭りでは会場の一つとしても活用されました。

武井さんは、「日本で最も権威のある賞の一つをいただき、さらに頑張っていかなければという責任感でいっぱいです。私自身にとって初めて取り組んだ公共建築でしたが、県や市の担当者や地元の建設業者、鉄道事業者、住民など多くの方々と協働していく中で、領域を超えて連携した時に生まれる建築の力、新しい環境を創造する力を実感する機会にもなりました。この駅舎が地域のシンボルとして多くの人に愛されることを願うとともに、これからも利用者がその場に自然と行きたくなるような魅力のある建築を作っていきたいと思います」と話しています。

なお武井さんは、7月8日に東京都港区の建築会館ホールで開かれる「2015年日本建築学会賞[作品]受賞者記念講演会」(主催=日本建築学会)で今回の受賞作品について講演する予定です。

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