今年4月に開設したbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户国際原子力研究所の第1回講演会を、8月5日にオンラインで開催しました。「核不拡散と核セキュリティ」をテーマに、日本原子力研究開発機構の井上尚子氏(核不拡散?核セキュリティ総合支援センター能力構築国際支援室室長)が講演。学生や教職員ら約40名が参加しました。
講演では、井上氏が医療や教育?研究、発電などさまざまな領域で利用されている核物質の軍事転用を防ぎ、平和利用を担保する核不拡散と、核?放射性物質及び原子力施設等がテロなどの犯罪に利用されることを防止する核セキュリティについて解説。国際的な枠組みの歴史や基本的な考え方、取り組みに触れたうえで、日本原子力研究開発機構による核物質の非破壊測定?検知や鑑識技術に関する研究と、核不拡散と核セキュリティを担う人材を育成する研修プログラムの概要を紹介しました。また原子力関連施設での活動を疑似体験できるバーチャルリアリティシステムを使って、同センターが所有する研修用「核物質防護実習フィールド」のバーチャルツアーも行われました。
本研究所の稲津敏行所長(本学副学長?工学部教授)は、「原子力の平和利用を担う人材の育成と研究開発は、本学が国内の大学に先駆けて取り組んできており、本研究所の開設もその理念を将来に引き継ぐことを目的にしています。また、本学では教育を通じた国際貢献として、カザフスタンやベトナムなどのアジア諸国から若手人材を受け入れてこの分野を担う人材の育成に力を入れてきました。さらに、近年では国際原子力機関(IAEA)と協力した研修プログラムも実施しています。こうした取り組みを今後も継続していきたいと考えています。また研究では、これまでの原子力工学の枠をこえ、医療や農学、法学、社会学などより幅広い分野との共同研究を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。原子力に限らず、あらゆる科学技術は社会の発展と破壊のどちらにも寄与する二面性を持っています。本学の創立者?松前重義博士は、だからこそ『思想』を持って、科学技術を正しく利用できる人材を育てる教育と、社会の発展を支える研究が重要であると訴えました。その理念を本研究所でもしっかりと受け継いでいきます」と語っています。
また工学部原子力工学科の堺公明教授は、「原子力工学科の卒業生は日本の原子力分野でキーパーソンとして活躍している人が多くいます。また、国際的には高い専門性を有してこの分野の発展を担う人材のニーズが高まっています。研究所所属教員の下で学生たちがさまざまな専門分野に取り組む人たちと刺激し合い、研究する環境をつくり、エネルギー政策や核不拡散の問題などにも通じた広い視野と倫理観を持ち、専門分野を深く探求できる高い能力を持った人材を育成していきたい」と話しています。