大学院生の天野さんが日本鉄鋼協会2022年春季学生ポスターセッションで努力賞を受賞しました

大学院工学研究科機械工学専攻1年次生の天野由紀子さん(指導教員=工学部機械工学科?窪田紘明講師)が3月16日にオンラインで開催された日本鉄鋼協会2022年春季学生ポスターセッションで努力賞を受賞し、このほど表彰状が贈られました。同セッションは多くの学生に発表の機会を提供することを目的に開かれているもので、今回は日本各地の29大学?短期大学?高等専門学校から70件の発表があり、最優秀賞1件、優秀賞7件、努力賞15件が決定。天野さんは大学院生が上位を占める中で学部生(当時)ながら受賞を果たしました。

天野さんの研究テーマは「強制潤滑を用いたハイドロフォーミングにおける成形特性の検討」です。「ハイドロフォーミング」は、機械部品などに用いられるパイプなどの管材を加工する際に、その内側に圧力を加えることで風船のように膨らまし、外側の金型に沿って成形する手法で、溶接による重量の増加や強度が落ちることを防ぎ、コストダウンも可能になります。これまでの研究では肉厚の不均一や割れの発生の原因となる金型と管材の間に生じる摩擦を軽減させるために高圧の潤滑剤を供給する強制潤滑技術が開発され、効果が実証されています。実用化されれば車の部品などに活用でき、車体を軽くできることからCO2排出量を削減する効果も期待されています。天野さんは今回の研究で、加工圧力を25MPaから5MPa刻みに70MPaまで徐々に上げる中で、それぞれの肉厚分布を測定。これまで明らかにされていなかった詳細な変形の過程を示したことが評価されました。

「学会などでの発表は初めてだったので、受賞の知らせを聞いて大変うれしく思います。今回の研究は研究室の先輩が2年前に始めたもので、研究室メンバーの力も借りながら取り組んできました。研究室では月に1回、自身の研究成果を発表する場があり、そうした経験も今回の受賞につながったと感じています」と話します。大学院に進学した現在は、設計や強度評価に関する研究に着手しており、「異なる分野に取り組む不安はありますが、違う視点や知識が増えるのではないかと期待しています。よりよい研究成果を出せるよう、頑張っていきたい」と話しています。