工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻4年次生の澤口佳那愛さん(指導教員=水書稔治教授)がこのほど、公益社団法人全国火薬類保安協会が認定する国家資格「火薬類取扱保安責任者(甲種)」を取得しました。本資格は、火薬に関する研究機関や製造企業、ロケットの製造?打ち上げ担当者が業務を行う際に必要となるもの。水書研究室では、ジェットエンジンの基礎研究「デトネーション」や爆風被害軽減を目指した爆風の光学的可視化計測などを展開しています。
澤口さんは3年時から水書研究室に所属し、野外爆発における衝撃波の画像可視化技術について研究してきました。実験中には水書教授指導のもと、微量の火薬を使用することが多くあるため、今夏に行われた「火薬類取扱保安責任者試験」の受験を決意。同試験では火薬学の基礎知識や火薬類取締法に関する知識が求められることから、澤口さんは学科での学びを復習したり、神奈川県火薬類保安協会の講習会に参加したりしながら勉強を重ねてきました。
9月上旬に行われた試験に見事合格し、資格を取得した澤口さんは、「合格が分かったときにはホッとしました。今後は大学院に進学するので、この資格を生かしてさまざまな実験に取り組みます。爆発が起きた際のさまざまな影響を解明し、爆風軽減や人体への爆傷軽減につなげる成果を残していきたい」と話しました。水書教授は、「本研究室にもこの資格を取得した学生はいますが、女子学生の合格は非常に珍しいことです。試験受験にあたり、澤口さんの研究に対するモチベーションも上がったと思いますし、将来的には研究者として自立し、安全かつ主導的に実験を進めてもらいたい」と語っています。