工学部(建築都市学部※)建築学科4年次生の柿島一博さん(指導教員=篠原奈緒子准教授?建築都市学部)がこのほど、照明学会東京支部大会で優秀研究発表賞を受賞しました。12月14日にオンラインで開かれた同大会は、学生や企業の若手技術者らに論文発表の場や交流の場を提供することが目的。13件の発表の中から最優秀研究発表者賞1名、優秀研究発表者賞3名が選出されました。
柿島さんは「同相関色温度条件における光色の違いが空間の印象に与える影響」をテーマに発表しました。照明用光源がLEDに変わり、LEDチップの化合物と蛍光体の組み合わせで自由な光色がつくれるようになり、同じ光色と定義される白色光でも黄緑色やピンク色の色見がかかった白色に見える場合があります。そこで、空間の利用目的に合わせた効果的な照明設計に適切な光色や明るさを考える初期研究として、集中空間やリラックス空間に用いる白色光の好ましい範囲を検討しました。被験者の前にLEDランプ4個を取り付けた60cm四方のボックスを置き、光色や明るさの異なる照明を10秒点灯させ、評価シートに記入してもらった後、10秒暗転させて次の照明を点灯させる実験を56通り行いました。6日ほどかけて24名に評価してもらった結果を分析した柿島さんは、「今回の研究では集中空間ではより太陽光に近い白色が、リラックス空間ではピンクがかった白色が黄緑色がかかった白色に比べて高い評価を得られました。学会での発表は初めてでしたが、1年間取り組んできた成果を評価してもらえてうれしい」と話しました。
「大学3年次生のときに友達に誘われて受講した他学科の授業で照明の話を聞き、それがとても面白くて興味を持ちました」という柿島さんが4年次生に進級した今年度、株式会社日建設計で東京スカイツリー?の照明設計などを手がけてきた篠原准教授が本学科に着任したことから研究室配属を希望しました。「学問に対してこれほど“もっと知りたい、勉強したい”と思ったのは初めてでした。研究室の所属学生は自分だけだったので、基礎から詳しく教えていただいたことでとても勉強になりました」と話します。卒業後は照明メーカーの営業職に就くことが決まっており、「新店舗や美術館の照明など、お客さんの要望を聞いて提案する仕事に今からワクワクしています。大学で学んだことを生かして働きたい」と意気込みを語りました。
※bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户工学部は2022年4月から工学部と建築都市学部の2学部に改編され、建築学科は建築都市学部を構成する学科となりました。