工学部機械工学科の窪田紘明講師がこのほど、日本塑性加工学会チューブフォーミング分科会主催「第10回国際会議 TUBEHYDRO2022」で優秀論文講演賞を受賞。3月16日に埼玉県?ものつくり大学で表彰式と受賞講演が行われました。チューブフォーミングに関する同会議は2003年に日本で初めて開催され、その後、2年ごとにアジア各国で実施されています。窪田講師の論文テーマは「管材の伸びフランジ性(穴広げ性)評価技術の開発」(Development of Stretch-Flange Formability Test for Hole in Side of Metal Tube)で、昨年11月14日から17日まで島根県立産業交流会館とオンラインで開かれた国際会議で発表した内容が評価されました。
自動車の軽量化や省エネ化が進み、構造部材等に用いられる鋼材の高強度化が進む一方、部品を成形する工程での材料破断が問題となっています。そこで窪田講師と研究室の学生たちは、鉄パイプなどの管材の側面に開けた穴を広げ、タコの口のような出っ張りを作る際に重要なダメージの値を求める技術を開発しようと4年ほど前から研究に取り組んできました。側面の穴を半分に切るように管材を輪切りにし、「3点曲げ」でひずみを発生させて破断するダメージ値を計測。素材の異なる管材で試験を繰り返し、実際に試作をしなくてもコンピューターシミュレーションでダメージの値を求められるようにしました。
この技術は特許も出願しています(特開2021-189144)。
窪田講師は、「穴の上に別の部品を取り付けるよりも、管材そのものを加工するほうが低コスト化できます。破断するダメージの値がわかれば試作をしなくてもコンピューターシミュレーションで設計でき、従来の試験では評価できなかなかった大きな変形にも対応できるようになりました。コロナ禍でも学生たちは自宅で実験を重ねるなど、工夫しながらアイデアを形にしようと努力してくれました。受賞講演は対面での開催となり、参加者の皆さんから異なる視点でたくさんの意見をいただき、いい議論ができました」と話しています。
<窪田研究室ホームページ>