高輪キャンパスで3月7日に、大学院情報通信学研究科情報通信学専攻の研究発表会を実施しました。研究活動をポスター形式で発表するもので、修士1年次生16名と学部4年次生4名が、同研究科と情報通信学部が取り組んでいる研究について紹介し、企業の採用担当者に認知していただくことで就職活動を支援しようと、「学内合同企業説明会」に合わせて初めて開催しました。50社を数えるIT関連企業の採用担当者や港区役所、公益財団法人東京都中小企業振興公社などの担当者が来場されました。
大学院生たちは、学部生時からそれぞれに深めている研究テーマについて発表。宇津圭祐講師の研究室で学ぶ眞中絢美さんは、大規模災害などで通信インフラが利用できなくても必要な情報共有を可能にするために取り組んでいる「マルチホップ無線LANにおける放送型情報共有方式」についての研究内容を紹介しました。「企業の方に、私たちが日ごろどのような研究をしているのか知っていただく貴重な機会でした。多くの企業担当者とのやり取りを通して、研究に関する意見交換のみならず企業が求める人物像を把握することができて、自身のモチベーションも向上しました」と眞中さん。「今回出会った企業との縁を大切に、悔いのない就職活動にしたいと思います」と意欲を燃やしています。
また同時に、産官学連携支援を目的に、本学部の8研究室9件の研究紹介に関するポスター発表も実施。各スペースには多数の企業担当者が訪れ、大学院生らが説明にあたりました。準備を進めてきた高輪就職委員長の高正博教授は、「企業に広く私たちの研究内容を知ってもらい、学生?大学院生の採用のみならず、さらなる産官学連携が進むことを期待しています。大学院生にとっては1年間の学びの成果を発表する絶好の機会であり、資料をまとめ、来場者にわかりやすく説明する訓練にもなったと思います」と成果を話しています。
学内合同企業説明会は11日まで開かれ、約120社の企業がブースごとに説明を行い、延べ500名の学生?大学院生らが参加しました。大学院生と研究室のポスターも期間中、そのまま展示されました。今回の取り組みについて、大学院情報通信学研究科情報通信学専攻主任の石井啓之教授は、「合同企業説明会当日の研究発表は初めての試みでしたが、企業の担当者からは、本学部全体の研究についての理解が進んだと好評でした。ポスター発表を担当した大学院生にとっては、来場者からの質疑応答に答えることで、自分の実力を確認することにつながったと思います。また、学部生にとっても、先輩たちが取り組んでいる研究について知り、実際に発表する姿を間近に見ることでさらなる学修への動機付けとなりました。今後も、このような取り組みを続けていきたいと思います」と話しています。