音声によるバリアフリー
の実現へ
研究概要
私達の身の回りには、スマートホンやパソコンで使われる音声認識や音声合成をはじめ、様々な音声技術がありますが、現在の音声技術は人の音声コミュニケーション能力に比べ限界があります。本研究室では音声情報処理の研究をしており、より人に近い柔軟な音声コミュニケーションができるシステムの作成を目指しています。
具体的な研究内容を1つご紹介しましょう。駅や空港などで音声案内が聞きづらいと感じたことはないでしょうか。この主な原因は雑音や響きで、特に高齢者、聴覚障がい者、外国人にとって聞きづらくなります。
そこで本研究室では、公共空間で緊急時に放送されるアナウンスをより多くの利用者に聞き取りやすくする、「音声によるバリアフリー」を目指しています。これは空間を変えずにアナウンス自体を加工する技術であり、建築音響、電気音響、信号処理、聴覚、認知心理学、言語学など、文理の枠を超えて研究をしています。これまで、雑音や響きに強い声の特徴を信号処理や発話の特徴を活かして強調し、若年者?高齢者?非母語話者の聞き取りを改善するデータを得ています。
その他、音楽プレーヤーの利用による騒音性難聴の予防に向けた研究、聴覚を中心としたマルチモーダル?クロスモーダルの研究、話者識別に向けた音声の個人性の研究、話し方や音環境が読み聞かせの効果に与える影響を研究しています。