情報理工学部情報科学科の内田理教授の研究グループがこのほど、平塚市から依頼を受け道路通報システム「みちれぽ」を設計開発。3月1日から運用が開始されます。平塚市では市民から年間約2000件の道路補修要望が寄せられており、その通報手段は電話や窓口、市のウェブサイトを経由したメールに限られていました。近年、各自治体でスマートフォンを使う道路通報システムの導入が広がっており、現場の写真やGPS機能による位置情報を活用して、破損状況や場所の正確な把握につなげることで、迅速な初期対応が図られています。また、スマートフォンを使うことで、今まであまり通報することのなかった若年層からの利用も期待されています。
これらの状況を受け、市では1985年から交流事業に関する申し合わせを結び、多様な交流を図ってきた本学と連携。短文投稿サイト「Twitter」を利用した災害情報共有アプリケーション「DITS (Disaster Information Tweeting System)」と、その投稿を地図上に表示するアプリ「DIMS (Disaster Information Mapping System)」を開発してきた内田教授が協力して、昨年5月から開発に取り組んできました。「みちれぽ」は、スマートフォンから道路通報システムの専用サイトにアクセスし、個人のTwitterアカウントから投稿を行うもので、道路状況の内容を記入後、GPS機能を使って投稿場所を決定。スマホ搭載のカメラで撮影した画像も添付して投稿できます。寄せられた投稿は市職員が随時確認し、補修工事や関係各所への連絡など迅速に対応が図られる予定となっています。
2月13日には平塚市役所で行われた落合克宏市長による定例記者会見の席上で、報道陣向けにシステムの概要を発表。落合市長がシステムの利点と「利用促進に向けて、市職員が市内の高校や大学に出向き、投稿による有用性などを説明したい。また、投稿内容は職員が随時確認し、安心?安全な道路の維持管理に努めていきます」と今後の展望を語りました。会見には内田教授も出席し、システムの利用方法や開発の経緯など詳細を説明。「Twitterを使いWEBブラウザから投稿するシステムなので、誰でも簡単に操作することができます。また、投稿した内容をほかの市民も確認できるので、身近な場所の最新の状況も知ることができるといったメリットもあります。投稿が市に対する一方的な通報となるのではなく、市民と行政が街の課題を共有し、より連携して『安心安全なまちづくり』につながることを期待しています」と語りました。