2025年1月15日、法学部法律学科山中ゼミの3年次生11名が、横浜地方裁判所で開かれている裁判員裁判の傍聴及び横浜税関資料展示室の見学を行いました。秋学期に開講された「演習2 」(3年次生ゼミ)では、ゼミ生同士が伸ばしたい力を話し合い、様々なテーマで法律ディベートを実施し、法的根拠を挙げて説得的に意見を述べる力を養いました。その中でも、「裁判員裁判制度の賛否」については、時間をかけて議論しました。その際、秋学期はじめに同ゼミで裁判員裁判(2024年10月16日、横浜地裁小田原支部にて開かれた傷害致死事件の裁判)を実際に傍聴して感じたことが話題にのぼることが多く、自分の目で見て耳で聞いて確認する実践の大切さも学びました。
今回は、2つのグループに分かれ、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反事件の第1回公判及び覚醒剤取締法違反、関税法違反事件の第2回公判を傍聴しました。後者は、いわゆる覚醒剤密輸事件であり、裁判員裁判において無罪になり、控訴審で有罪になることが多いとされる事件です。裁判員裁判制度の賛否についてディベートする際には、なぜ覚醒剤密輸事件では無罪が多いのか、裁判員が判断をするのが難しい罪種なのかを議論しました。また、薬物事犯の故意に関する判例も勉強しました。今回の傍聴は、秋学期の授業の総まとめとして、覚醒剤の密輸事件に関する裁判員裁判を素材にし、争点や検察官がどのように立証するのかを確認し、裁判員になったつもりで証拠調べを傍聴することも目的の一つでした。


また、覚醒剤密輸事件は、関税法違反の罪にも問われることから、横浜税関資料展示室において、覚醒剤密輸の摘発事例や手口の再現も見学しました。それにより、一つの覚醒剤密輸事件が発覚してから刑事裁判に至るまでの一連の手続の流れを学ぶことができました。資料展示室では、薬物の密輸に関する展示以外にも、開港の歴史について資料室の係員から説明を受け、様々な税関業務に関する案内、さらには、知的財産侵害物品やワシントン条約違反の動植物の展示等を見学しました。裁判傍聴と税関資料展示室の見学を続けて行うことにより、社会には、刑法典には載っていない様々な刑事事件があり、税関職員等の様々な職業の人が関わって裁判に至っていることを学ぶことができる貴重な機会となりました。

