2024年1月11日、法学部の柑本美和教授と服部篤美教授、冨高彩講師のゼミナールの学生らが、府中刑務所(東京都)を見学しました。この見学は、矯正の現場に触れることで学びを深めてもらおうと、主に柑本ゼミで開催されているものであり、コロナ禍以来の久しぶりの機会となりました。
当日は、柑本教授と冨高講師引率のもと、約30名の学生が参加しました。はじめに府中刑務所の調査官の方より、施設の沿革や概要、被収容者の特徴、処遇の内容のほか、刑務所の役割や刑務官の仕事内容について具体的な説明を受けました。その後、受刑者たちが生活している単独室や集団室、刑務作業が行われている木工や自動車整備工場を見学。当日は空いていた保護室を見学することも許されました。また、調査官の方との質疑応答の時間も設けられ、学生からは多くの質問が出されました。
見学した冨高ゼミの長田健太郎さんは、「普段生活をしている中では見ることのできない場所なので、貴重な体験となりました。保護室の中には誰もいませんでしたが、受刑者の姿やその様子が生々しく伝わってくるようでした。刑務作業で作られた物品を実際に手に取ると、既製品と遜色のない出来栄えであり、それもまた印象的でした。」と,杉本晴菜さんは、「受刑者が作業しているところを歩きながら見学しましたが、想像以上の規律の正しさと、黙々と作業しているところに、更生するための意思を感じました。」と感想を述べています。
引率した冨高講師は「犯罪に関するニュースは毎日のように報道されますが、刑罰や矯正に関することは必ずしもそうではありません。刑法の講義を聞くだけではイメージすることが難しい『刑罰』について、実際に矯正の現場を訪れることで、その意義について少しでも理解することができたと思います。今後は拘禁刑が導入されることもあり、今回の見学をきかっけに、刑罰とは何か、矯正とは何かについて、法学部生として引き続き関心を持ち続けてほしいと思います。」と話しています。