法学部法律学科の藤中敏弘准教授が一部を執筆した『設例で学ぶ行政法の基礎』(2016年4月刊?八千代出版)と、『ロードマップ法学(2016年5月刊?一学舎)がそれぞれ刊行されました。
『設例で学ぶ行政法の基礎』は、実際にあった産業廃棄物処理施設に関する事件を例に、その設立計画から認可が取り下げられるまでの過程をたどりながら行政法の基礎知識を学べる一冊です。法律の判例を数多く取り上げつつ、行政機関が現在置かれている状況から法理論までを学べるのが特徴です。
一方の『ロードマップ法学』は、大学1年次生や法学部以外の学生に向けて書かれた書籍で、憲法や民法、行政法など11のテーマを通して法律の全体像を学べるよう工夫されています。藤中准教授は「行政法」の項目を担当。法律の歴史や基本的な考え方についてわかりやすく解説しています。
藤中准教授は、「かつて『犬も歩けば行政法にあたる』といった研究者がいるように、車のルールも消費税をはじめとする税制も、義務教育のルールもすべて行政法で定められています。言い換えれば、意識の有無にかかわらず、生活のすべてに関係しているものとも言えるかもしれません。これからの時代は、市民が自治体の職員と一緒に行政を担っていくことも求められます。国や地方自治体との向き合い方を考える上でも、行政法の知識は大きな助けになるはずです。まずは今回刊行された2冊の本に目を通し、皆さんの視野を広げる一助にしてもらえればうれしく思います」と話しています