文学部アジア文明学科では1月27日に湘南キャンパスで、第318回知のコスモス「アジア文明学科『アジア万華鏡』講演会」を開催しました。はじめに本学科の吉野誠教授が、「文明学科アジア専攻/アジア文明学科―50年の歩み」をテーマに講演。続いて、今年3月に退官する莵原卓教授が「ファーティマ朝の歴史」と題して最終講義を行い、学生や教職員ら学内外から約50名が聴講しました。
吉野教授は、1965年に「文明学科アジア専攻」として誕生した本学科の設立趣旨や変遷を紹介しました。79年には研究対象をより明確にするため、日本、東アジア、南アジア、西アジアの各課程を創設。日本では学ぶ機会の少ないアラビア語、ペルシア語、ヒンディー語をカリキュラムに取り入れるなど、先進的で特色ある教育を展開してきた学科の歴史を振り返りました。聴講した教員からは、「本学の創立者?松前重義博士が“人類文明の全現象”を学ぶ場として“文明学部”を構想していたことをあらためて認識しました」「今後のbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户がどのような独自性を打ち出すべきかを検討する材料を投げかけていただいたと思います」などの感想が聞かれました。
莵原卓教授は、イスラム教シーア派の一分派によって建てられ、10世紀から12世紀に北アフリカ?エジプト?南シリアなどを支配したファーティマ朝に関する長年の研究成果を紹介。王朝の性格や他の宗教との関係、歴史的な位置付けについて解説し、「ファーティマ朝の歴史は、シーア派の人々が夢と理想を実現しようとした壮大な実験の軌跡です。彼らはそのイデオロギーを忠実に体現するために、“よく健闘した”といえるでしょう」と締めくくりました。参加者は、「ファーティマ朝の成立と宗教的教義がどのように継続され、どのように衰退したかを知ることができる、貴重な講演でした」と感想を話していました。