文学部歴史学科東洋史専攻では6月17日から7月3日まで、展示会「マンネルヘイムの中国旅行と収集資料の価値」(第324回文学部知のコスモス)を開催しました。カール?グスタフ?エミール?マンネルヘイム(1867~1951)は、帝政ロシア支配下のフィンランドの軍人で、後に大統領となった人物です。1906年から08年に行った中国旅行で、多くの記録と撮影写真を残したほか、古代の文書や経典の断片を収集しました。それらは、本専攻が対象とする中央アジア?中国の研究に利用されるべき貴重な価値を有しています。
今回は、各国語で出版されたマンネルヘイムの旅行記のすべてを原本で陳列。彼が作成した地図とともに、新疆トルファンにおける軍事訓練の写真や、山西省五台山でのダライラマとの面会の経緯を示したフランス人?ドローヌの著書『シナ奥地をゆく』、さらには旅行概要を伝える未紹介の新聞記事などを展示し、入手した文書の断片が他の探検隊が手に入れていた断片と接続するという、近年の発見も紹介しました。
会期中には、学生や教職員だけでなく、チベットを専門とする学外の研究者を含む約170名が来場。駐日フィンランド大使館の公式ツイッターでも紹介されました。