知のコスモス講演会「『記憶』を『記録』する:次世代へのメッセージ~伝えるものはモノでなければならないのか?~」を開催しました

文学部文明学科では6月12日にオンラインで、知のコスモス講演会「『記憶』を『記録』する:次世代へのメッセージ~伝えるものはモノでなければならないのか?~」を開催しました。歴史学における「記憶」と「記録」の概念やそれを後世に継承していくことの重要性などを考える機会にしようと企画したもので、独立行政法人国立公文書館公文書専門員の山下大輔氏が講師を務めました。

当日はWEBビデオ会議システム「Zoom」を使い、学生や教職員、地域住民ら約20名が参加。山下氏は「記憶」と「記録」の違いを解説するとともに、数十秒間で画像をどれだけ記憶できるかテストを行い、「記憶は自分の頭の中で関連性などと結び付けて無意識につくり変えてしまう場合があり、記録と違って正確性は高くありません。ですが、記憶にも重要な役割があり、戦争体験の語り部や祭りのような文化、伝統、教訓は記憶の連帯によって継承されていきます。この記憶のリレーにより、私たちはアイデンティティーやルーツを理解できているのです」と説明しました。

講演の最後に山下氏はソーシャル?ネットワーキング?サービス(SNS)について、「皆さんが書き込み、公開した情報はすべて記録として残っていきます。『公開性の高い日記』のような側面があり、自分自身の情報や価値観がネット上にさらされることにもなります。SNSを利用する際は、記録として残っていくことを忘れないようにしてください」と語り、講演をまとめました。