『万物の黎明―人類史を根本からくつがえす』公刊記念シンポジウムが開催されました

12月17日、考古学専攻の北條芳隆教授が会長を務める比較考古学研究会主催の「『万物の黎明―人類史を根底からくつがえす』を読む―自由とプレイ(遊戯)の人類史?文明史の構築に向けて」というシンポジウムが、上野の東京文化財研究所にて開催されました。

本シンポジウムは、人類学者デヴィッド?グレーバーと考古学者デヴィッド?ウィングロウによる共著『The Dawn of Everything:A New History of Humanity』の和訳本『万物の黎明』の刊行を記念したものです。本書が人類史?文明史に与える様々な可能性と意義を掘り下げることを目的に、本学考古学専攻の関係者からは、
北條芳隆教授、有村誠教授、小茄子川歩?京都大学准教授(bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户考古学専攻卒業)が参加しました。
午前の部では翻訳者の酒井隆史先生(大阪公立大学)による基調講演「『万物の黎明』―わたしたちの「ブレイクスルー」のために」が行われ、2人のデヴィッドの出会いから『万物の黎明』刊行に至るまでのヒストリーと、本書が考古学を含む人文社会科学に与える意義について解説されました。
つづく午後の部では『万物の黎明』と考古学の接続を考えるため、世界各地の考古学をリードする、小茄子川歩先生、関雄二先生(国立民族学博物館)、有村誠先生、辻田淳一郎先生(九州大学)による研究報告が行われました。各自の研究フィールドに引き付けて、
『万物の黎明』への批判的検討と考古学に与える可能性に関する刺激的な報告がそれぞれなされました。

有村教授の報告の様子


最後の総合討論では、考古学者の安部雅史先生(東京文化財研究所)、人類学者の小川さやか先生(立命館大学)、
松村圭一郎先生(岡山大学)を交えた活発なディスカッションが行われ、人文社会科学の未来に向けた人類学者と考古学者の対話の重要性が議論されました。
さらには、会場の歴史学や考古学の専門家からのコメントも加わり、議論が白熱したために終了時刻を超過するという一幕もありました。

総合討論の様子


今回、司会を務めた北條芳隆教授は、
「パネラーの熱意によって多岐にわたる論点が次々に繰り出されたため、人文社会科学の未来と可能性を共有する有意義なシンポジウムになった」とコメントしていました。

特定助手 白川美冬

北條先生の研究分野の詳細は(こちらから

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