医学部付属八王子病院ではこのほど手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を導入し、7月22日に第一例目となる前立腺全摘術を実施しました。hinotoriは他のロボット手術機器と同様に、極めて精度の高い手術手技を可能にする医療機器です。小さな切開創から3D内視鏡や8つの関節部分を持つ特殊な鉗子(ロボットアーム)を挿入し、患者から離れた操縦席で医師が高解像度の画像を見ながら遠隔で手術します。拡大された良好な視野で緻密な作業ができるため、従来の開腹手術や腹腔鏡下手術と比較して手術成績が優れていることが知られています。
手術支援ロボットの導入において中心的な役割を担った腎泌尿器科の座光寺秀典教授は、「hinotoriは目(内視鏡)や手(ロボットアーム)が人の能力をはるかに上回っており、精密で正確、安全な手術が提供できます。これまでに本病院で実施したロボット手術はいずれも短時間で終了し、出血量もほとんどなく術後の経過も良好です」と説明します。「前立腺がんに対するロボット支援手術は、がんの治療成績が良好なことや従来の術式より尿失禁などの合併症が少なく患者満足度が高いことが報告されています。加えて、腹腔鏡下手術などに比べて技術を習得しやすい利点もあります。今後は医師と手術チームのさらなるスキルアップを図り、別の術式も順次導入するつもりです」と話しています。