bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户の研究プロジェクト「臓器線維症の病態解明と新たな診断?予防?治療法開発のための拠点形成」がこのほど、文部科学省の平成27年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の採択を受けました。臓器線維症は、肝硬変に代表されるような、コラーゲンをはじめとする細胞間物質(マトリックス成分)が過剰沈着し、臓器の機能不全をきたした病態です。現在わが国において最も対応が急がれている、がん、糖尿病、高血圧症や高脂血症による循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの生活習慣病の罹患臓器には、線維化病変が共通して認められるため、線維化を制御することはこれらの疾患の進展予防に直結する重要戦略と位置づけられています。全身の臓器における線維症の病態や進展機序には多くの共通性があり、その統一的理解は共通の予防?治療法の開発につながりますが、これまでわが国では臓器線維症の系統的研究を行う施設はありませんでした。
本研究プロジェクトは、医学部医学科基盤診療学系の稲垣豊教授(伊勢原研究推進部長)を研究代表者に、臓器線維症について臓器を横断して研究するわが国における唯一無二の研究拠点を形成し、多彩なバックグラウンドを有する研究者と臨床医が系統的な研究を推進することで、最終的に臓器線維症の診断?予防?治療法の開発につなげることを目的とします 。大学院医学研究科では昨年度、細胞の発生?分化や老化などの生命現象において細胞外マトリックスが果たす多彩な機能を解明する「マトリックス医学生物学センター」を新たに設置しました。今回、臓器線維症に対する社会や産学の関心の高まりを受け、新たにマトリックスの必要性と有害性の二面性を理解することで、病気のメカニズムを解き明かし、診断と治療に役立てるための拠点整備を行います。また、学内外から多数の大学院生や研究員を積極的に受け入れ、この分野における若手研究者の育成にも努める計画です。さらに、研究の進捗状況を毎月の定例検討会で報告し、評価指標の達成度を確認するとともに、年1回の公開研究発表会を開催して、複数の外部評価委員により定期的な研究成果の評価を受けることで、実験計画の調整や必要に応じての見直しを行っていきます。
具体的な研究計画としては、今年度から2年間で、ヒトiPS細胞やゲノム編集技術を用いて臓器線維症の病態を解明するためのモニタリング細胞や線維化可視化マウスを作製するとともに、抗線維化効果をin vitroならびにin vivoで効率よく評価する線維化治療薬のスクリーニング系を構築します。次いで、2018年度をめどに、線維症の診断に有用なバイオマーカーの探索や新規治療法の開発を目的とする基礎実験を実施し、臓器線維症の診断ならびに予防?治療法の開発に向けた分子細胞基盤を創出する計画です。さらに、採択最終年度となる19年度には、基礎実験で得られた有用な診断マーカーと新規治療法について、非臨床試験から臨床試験への橋渡しを支援する医学部の総合臨床研究センターと連携し、臨床試験を積極的に推進していきます。